読書

ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー著、櫻井祐子訳『時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』(ダイヤモンド社、2019/6)

購入のきっかけは、けんすうさんの帯文。新聞広告とかも含めて、彼が推薦した本はいくつかあるけれど、アイコン(ロケスタくん)が使われてる*1のは初めて見たかもしれない。それでかわいいなーと思って買った。 一読しての感想はすごく面白かったし、生活の…

近藤雄生著『吃音 伝えられないもどかしさ』(新潮社、2019/1)

かつて吃音に苦しんだ著者が、多くの人に話を聞く。悩んでいる当事者や周囲、さらには治療に携わる人たちへ……。 内容としては著者もあとがきで書いているけど、改善を目指す動きに分量が割いてある。つまり与えられたものとして受け入れるのではなく、どうに…

橋本倫史著『市場界隈 那覇市第一牧志公設市場界隈の人々』(本の雑誌社、2019/5)

来月半ばに現在の建物での営業を終える市場。そのお店にたずさわる人たちへ話を聞いた本。取り上げられているのは全30店舗。それに加えて市場組合長の話が巻末に収録されている。 お店の人の来し方や市場のあゆみも興味深く読んだけど、私は話のなかに沖縄の…

『景色のいいドライブ[関西版]』(京阪神エルマガジン社、2019/3)

タイトルどおり、車で行く景色の素晴らしい場所が全20コースで紹介されている。私は関東在住かつ運転もしないので、知っているところがひとつしかなかった。そういう意味では他エリアの読者のほうが新鮮に読める面もあるかもしれない。私も行ってみたいなと…

横山秀夫著『ノースライト』(新潮社、2019/2)

作品を待つ価値がある。金と時間を費やす価値が確実にある。そんな作家だなとあらためて思った。最初に謎が提示され、それが明らかになっていくというのはよくあるミステリー。ところが本作では、謎解きの過程でも次々と疑問点が浮かんでくる。ページを繰る…

橋本倫史著『ドライブイン探訪』(筑摩書房、2019/1)

『月刊ドライブイン』vol.01-12をまとめたもの。奥付に「加筆・再構成をほどこし単行本化」とあるが、私の見る限り内容的な追加はなかった。一番大きな違いとしては、vol.08に登場した「ドライブインもちや」が丸々未収録となっている。ページ数の都合か、は…

明石ガクト著『動画2.0』(幻冬舎、2018/11)

立ち読みですごく面白かったので購入。動画の起こりや映像との違いなどを知って、よのなかの見方を新しくすることができた。これが本屋で「動画」コーナーに追いやられるのはかわいそうだなと。もちろん動画づくりを書いた部分もあるのだが、全体の7-8割はい…

橋本倫史取材・写真・文『cocoon no koe cocoon no oto DOCUMENT of READING LIVE』(HB出版部、2015/7)

先月21日に写真展へ行ったとき購入。6都市をめぐったマームとジプシーの公演に同行した記録。 私は公演を見ていないが、それでも一緒に駆け抜けた気になれて面白かった。舞台の裏側を知ることで、どの公演も一期一会なのがよくわかる。 中身は6都市のうち、…

雨宮処凛著『非正規・単身・アラフォー女性 「失われた世代」の絶望と希望』(光文社新書、2018/5)

著者はまあまあ好きだが、これは買うつもりがなかった。というのは、労働とか格差は彼女のメイン仕事で、同じ題材の本がすでにあるから。特段、目新しいことも書いてないかなと。 それなのになぜ購入したか。あとがきによる。 「なんだかものすごく役に立つ…

佐藤喬著、羽田圭介解説『逃げ 2014年全日本選手権ロードレース』(小学館文庫、2018/7)

自転車競技を題材にしたノンフィクション。 5時間以上に及ぶレースの最中、選手・チームがどういう思惑で戦っていたのかを丹念につづる。と同時に、競技がいかなるものであるかも伝えている。 すごく面白い本だった。単に走ってるだけの力比べではまったくな…

橋本倫史著『まえのひを再訪する』(HB編集部、2016/7)

21日に写真展へ行ったとき購入。『まえのひ』というお芝居があって、その上演で巡った場所を再訪するドキュメント。 『まえのひ』を鑑賞していなくても読めるかは気になるところ。 結論からいうと、95%は未見でも問題ない感じ。冒頭で「マームとジプシーとい…

福満しげゆき著『僕の小規模なコラム集』(イースト・プレス、2013/6)

書下ろしコラム15本プラスあとがき。4章立てになっていて、話題はエロ、学校、社会、漫画。 分量は1本10ページ弱。それぞれにイラストが1ページつく。 普段、彼の漫画で展開されている考えがここにもあるというか……。驚くような意見は出てこない。 興味深い…

『Cocco Forget it, let it go SWITCH SPECIAL ISSUE』(スイッチ・パブリッシング、2001/4)

ムックの中心は、ライター堀香織がCoccoと共に旅してつづった文章。 全6回中5回分は、これ以前の『SWITCH』にも収録。本書で初出なのは、冒頭の「沖縄2001」のみ。 購入したのは、『月刊ドライブイン』(vol.04)に「沖縄2001」が引用されていたのがきっかけ…

宮崎祐治著『鎌倉映画地図』(川喜多・KBSグループ発行、2017/4)

表紙を含めて36ページの冊子。鎌倉および周辺を7ブロックに分け、映画に使われたスポットを紹介している。 ちょっとだけ鎌倉という映画も抑えられていて、さくいんを見ると言及があるのは90作品以上。資料集としても使えるだろうし、ユーモラスなイラストが…

沢木耕太郎著、梯久美子解説『流星ひとつ』(新潮文庫、2016/8)

1979年の藤圭子へのインタビュー。ふたりの言葉のみで構成されている。 親本の刊行時は興奮をおぼえた。ついに出るんだなあと。 原稿の存在は、『噂の眞相』1999年11月号で明らかになっている。そこで沢木は世に出さなかった理由を語るとともに、藤との男女…

原武史著、速水健朗解説『レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史』(新潮文庫、2015/4)

連載時も何回か読んで、興味を持っていた本。内容としては、政治思想ならぬ西武思想や団地、皇室のまじわりを書いている。 たとえば中央線であれば、いくらでも言及する人・した本があると思うが、西武は少ない。その意味で、原は私にとってありがたい存在だ…

「週刊新潮」編集部編『黒い報告書 インフェルノ』(新潮文庫、2016/2)

「近年の『黒い報告書』の中から、特に官能的で優れた作品を集めたアンソロジー」(まえがきより)。全17編収録で、初出は『週刊新潮』2014年1/16号から2015年8/6号。 モデルになった事件はリベンジポルノ、声優アイコ、教え子への嘱託殺人といったところ。…

柳美里著、野村進解説『ファミリー・シークレット』(講談社文庫、2013/3)

ずっと読みたかった本。息子への虐待を通報された著者。いったいなぜ行為に至ってしまうのか。理由を探っていくノンフィクション。その過程で父や母についても浮き彫りになる。 彼女のブログは鎌倉ネタ目当てでチェックしていた。騒動もリアルタイムで目撃し…

秋本治原作、秋田禎信・朝井リョウ・石原宙・岡田邦彦・初野春・東川篤哉小説『VS.こち亀 こちら葛飾区亀有公園前派出所ノベライズアンソロジー』(集英社、2016/9)

小説とこち亀のコラボレーション全6編。分量は最初のおそ松さんだけ約80ページで、あとは50ページほど。 元作品はどれも読んでないし見ていないが、総じて楽しむことができた。5段階評価をするならこんな感じ。 「おそ松さん」:3.5 「魔術士オーフェン」:1…

志村貴子と藤が谷女学院新聞部著『青い花公式読本』(F×COMICS、2009/9)

だいたい半分がアニメがらみの内容。配信で見られるなら見たいのだが、ふみ役・高部あいの件で停止になってしまったようで……。DVDレンタルなら大丈夫とはいえ、手間がかかるからなあ。 特に面白かったのは志村貴子の対談3本。ひとつめのゲスト・羽海野チカは…

テッド・Y・フルモト著『バンクーバー朝日軍 伝説の日系人野球チーム その栄光の歴史』(文芸社、2008/5)

鎌倉の公文堂書店で購入。サイン本というか献呈本かな。1080円だった。 まずはじめに、この本の出版状況がややこしいので整理しておく。 2008年に本書が刊行。翌2009年には東峰書房からも出る。サブタイトルの「日系人」という部分が「サムライ」に変更され…

横山秀夫著『刑事の勲章』(Kindle版、2016/4)

『オール讀物』2002年2月号掲載の短編。先日の新聞に、電子版だと分量すくなくても販売できてどうとかこうとかの記事が出ていた。そこで知って購入した次第。 『64(ロクヨン)』以来の横山さん。やっぱりこのお方の書く人間関係は面白い。『ダ・ヴィンチ』6…

『ベースボールサミット第7回 特集埼玉西武ライオンズ』(Kindle版、2015/12)

主力選手インタビューのほか、牧田和久・松沼博久のアンダースロー対談、小倉智昭や中川充四郎へのインタビューが主な内容。 紙の単行本は昨年8月の刊行。「後半戦に向けて」みたいな内容が多く、シーズンが終わってから読んでも熱が冷めているというか……。…

山田清機著『東京タクシードライバー』(朝日文庫、2016/2)

「13人の運転手を見つめた現代日本ノンフィクション」(帯より)。これまでの人生や乗務でのエピソードを取材している。 非常に面白い本だった。「新卒で入って定年まで」という職業ではないから、タクシーに至るまでの道もバラエティに富む。 たとえばある…

「週刊新潮」編集部編『黒い報告書エクスタシー』(新潮文庫、2014/5)

「近年の『黒い報告書』の中から、特に官能的で優れた作品を集めたアンソロジー」(まえがきより)。全16編収録で、初出は『週刊新潮』2012年5/3・10号から2013年9/26号となっている。 ずっと放置していたが、次作が出たのを機に読む。やっぱり純粋な娯楽作…

飛鳥涼著『インタビュー』(幻冬舎、1996/12)

例のブログ(のキャッシュ)が面白かったので購入してみた。 全13編からなるエッセイ集で、表題作の「インタビュー」が約100ページと半分を占めている。 前半は幼き日の回想が主。自伝のように時間が流れるのではなく、エピソードが書き連ねてある。どれも面…

那須正幹著『ズッコケ熟年三人組』(ポプラ社、2015/12)

シリーズ最終巻は、再開発話のその後と土砂災害をめぐり奔走する三人が描かれる。 ドキュメンタリーのような、いままでにないズッコケ。好意的に読ませてもらった。シリーズはこれで最後だが、作家を引退するわけではないと思うので、またなにか読めたらいい…

羽根田治・飯田肇・金田正樹・山本正嘉著『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか 低体温症と事故の教訓』(ヤマケイ文庫、2012/8)

Wikipediaで興味をもって購入。細部を知ることは登山をしない私にも有益だった。 まず装備不足について。これは自衛隊・警察の不用意な発言から生じた報道だとしている(p.78)。道具はもっていても使えるとは限らない。強風と雨のなか、ザックから着替えを…

日本バックギャモン協会編『バックギャモン・ブック』(河出書房新社、2002/10)

昨年9月に購入。このたびギャモン熱が再燃したので読んでみた。 日本でいま流通しているバックギャモンの入門書は2冊。ひとつはこれで、もうひとつは以前取り上げた『バックギャモン入門』。 2冊のレベルは、5段階にするとこんな感じ。 入門:1-2.5 ブック:…

ゲッツ板谷著『ズタボロ』(Kindle版、2015/3)

3部作完結。描かれるのは、コーちゃんが高校生活を終える日まで。といっても、学校へはあまりいかず、起こるのはケンカや身内とのいさかいばかり。そんな日々を生きるなかで、人生とは何かを学んでいく。 物語のつくりとしては、人気芸能人を助けるシーンが…