横山秀夫著『ノースライト』(新潮社、2019/2)

作品を待つ価値がある。金と時間を費やす価値が確実にある。そんな作家だなとあらためて思った。
最初に謎が提示され、それが明らかになっていくというのはよくあるミステリー。ところが本作では、謎解きの過程でも次々と疑問点が浮かんでくる。ページを繰る楽しみがつきなかった。
最後には鮮やかな着地が決まって、構成力の緻密さに舌を巻く。今から次作が楽しみだし、読んでない作品もけっこうあるから手を伸ばせたらいいな。