福満しげゆき著『僕の小規模なコラム集』(イースト・プレス、2013/6)

書下ろしコラム15本プラスあとがき。4章立てになっていて、話題はエロ、学校、社会、漫画。
分量は1本10ページ弱。それぞれにイラストが1ページつく。
普段、彼の漫画で展開されている考えがここにもあるというか……。驚くような意見は出てこない。
興味深いのは「エッセイマンガの罪と罰」。やはり登場人物から文句を言われることはあるそうだ。本書では、その文句をいってきた人を徹底的にほめている。
あとは「AV女優から考えてみる僕の女性論」が印象に残った。AVに出る女性があふれる現在では、そういった経験をもつ人に当たる可能性を排除してはならないと福満。
では「AVに出るのはやめよう」と呼びかけるのかといえば、現状を甘受するとのこと。彼はもう結婚していて、ノーリスクだから。
こういう都合のよさを感じ取れるのが本書なのかもしれない。もちろんいい意味で。なにもわざわざ自分に不利な考え方を採用することはないわけだし。