西川ユカコ著『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』(SBクリエイティブ、2020/4)

購入のきっかけから書くと、私が睡眠の本を手に取るときはまず著者のプロフィールを見る。それで有益な情報が得られるだろうかと考える。

今でこそ研究者の本が次々に出ているけど、ひとむかしまえはとある作業療法士の本がいくつも並んでいて、作業療法士って睡眠を専門に扱っているわけでもないだろうにどうなのかなと思っていた。

そこのところ本書の著者は寝具メーカーの副社長。本人いわく「医学者でも科学者でもない」。だけど肩書というか、本を書く資格みたいなところに目が向いてるのは私の視点とも重なるなあと思い買ってみた。

内容的には専門家でないこともあって、そこまで目新しい記述はない。ただ全6章あるうちの1章を寝具にあてているのは、この著者ならではといえるだろうか。

厳しい評価になってしまうのは、その寝具にかんしての部分。私が去年知っていちばん役に立った情報が「布団は重たいほうがよく寝られる」というものなんだけど、それについての言及がまったくない。さすがに寝具メーカーの人間が知らないはずはないと思うんだけど、どうしてそこには触れない判断になったのかなと。