読書

志村貴子と藤が谷女学院新聞部著『青い花公式読本』(F×COMICS、2009/9)

だいたい半分がアニメがらみの内容。配信で見られるなら見たいのだが、ふみ役・高部あいの件で停止になってしまったようで……。DVDレンタルなら大丈夫とはいえ、手間がかかるからなあ。 特に面白かったのは志村貴子の対談3本。ひとつめのゲスト・羽海野チカは…

テッド・Y・フルモト著『バンクーバー朝日軍 伝説の日系人野球チーム その栄光の歴史』(文芸社、2008/5)

鎌倉の公文堂書店で購入。サイン本というか献呈本かな。1080円だった。 まずはじめに、この本の出版状況がややこしいので整理しておく。 2008年に本書が刊行。翌2009年には東峰書房からも出る。サブタイトルの「日系人」という部分が「サムライ」に変更され…

横山秀夫著『刑事の勲章』(Kindle版、2016/4)

『オール讀物』2002年2月号掲載の短編。先日の新聞に、電子版だと分量すくなくても販売できてどうとかこうとかの記事が出ていた。そこで知って購入した次第。 『64(ロクヨン)』以来の横山さん。やっぱりこのお方の書く人間関係は面白い。『ダ・ヴィンチ』6…

『ベースボールサミット第7回 特集埼玉西武ライオンズ』(Kindle版、2015/12)

主力選手インタビューのほか、牧田和久・松沼博久のアンダースロー対談、小倉智昭や中川充四郎へのインタビューが主な内容。 紙の単行本は昨年8月の刊行。「後半戦に向けて」みたいな内容が多く、シーズンが終わってから読んでも熱が冷めているというか……。…

山田清機著『東京タクシードライバー』(朝日文庫、2016/2)

「13人の運転手を見つめた現代日本ノンフィクション」(帯より)。これまでの人生や乗務でのエピソードを取材している。 非常に面白い本だった。「新卒で入って定年まで」という職業ではないから、タクシーに至るまでの道もバラエティに富む。 たとえばある…

「週刊新潮」編集部編『黒い報告書エクスタシー』(新潮文庫、2014/5)

「近年の『黒い報告書』の中から、特に官能的で優れた作品を集めたアンソロジー」(まえがきより)。全16編収録で、初出は『週刊新潮』2012年5/3・10号から2013年9/26号となっている。 ずっと放置していたが、次作が出たのを機に読む。やっぱり純粋な娯楽作…

飛鳥涼著『インタビュー』(幻冬舎、1996/12)

例のブログ(のキャッシュ)が面白かったので購入してみた。 全13編からなるエッセイ集で、表題作の「インタビュー」が約100ページと半分を占めている。 前半は幼き日の回想が主。自伝のように時間が流れるのではなく、エピソードが書き連ねてある。どれも面…

那須正幹著『ズッコケ熟年三人組』(ポプラ社、2015/12)

シリーズ最終巻は、再開発話のその後と土砂災害をめぐり奔走する三人が描かれる。 ドキュメンタリーのような、いままでにないズッコケ。好意的に読ませてもらった。シリーズはこれで最後だが、作家を引退するわけではないと思うので、またなにか読めたらいい…

羽根田治・飯田肇・金田正樹・山本正嘉著『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか 低体温症と事故の教訓』(ヤマケイ文庫、2012/8)

Wikipediaで興味をもって購入。細部を知ることは登山をしない私にも有益だった。 まず装備不足について。これは自衛隊・警察の不用意な発言から生じた報道だとしている(p.78)。道具はもっていても使えるとは限らない。強風と雨のなか、ザックから着替えを…

日本バックギャモン協会編『バックギャモン・ブック』(河出書房新社、2002/10)

昨年9月に購入。このたびギャモン熱が再燃したので読んでみた。 日本でいま流通しているバックギャモンの入門書は2冊。ひとつはこれで、もうひとつは以前取り上げた『バックギャモン入門』。 2冊のレベルは、5段階にするとこんな感じ。 入門:1-2.5 ブック:…

ゲッツ板谷著『ズタボロ』(Kindle版、2015/3)

3部作完結。描かれるのは、コーちゃんが高校生活を終える日まで。といっても、学校へはあまりいかず、起こるのはケンカや身内とのいさかいばかり。そんな日々を生きるなかで、人生とは何かを学んでいく。 物語のつくりとしては、人気芸能人を助けるシーンが…

豊島ミホ著『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』(岩波ジュニア新書、2015/5)

新聞広告で見つけて衝動的に購入。この著者がこういう題材を書いたら、興味を引かれないわけがない。 タイトルはマニュアルとなっているが、著者の自伝として読める。物語は高2のときに孤立し、保健室登校になる場面からはじまる。その経験は予備校・大学生…

竹村裕児著『無謀!野球旅行記 Trip for Minor League Baseball』(新風舎、2006/7)

本書もアマゾンで「野球+旅」と検索していて発見。タイトルのとおり、マイナーリーグを見るべくアメリカを訪れた日記。2003年・2004年・2005年の3部構成で、西海岸を訪れた前者ふたつはウェブでも読める*1。2005年はニューヨークやフィラデルフィアを訪れて…

吉永麻里著『つれづれ"野球な"旅日記』(新風舎、2006/3)

本書はアマゾンで「野球+旅」と検索して発見。ネットにある著者の日記*1がまあまあ面白かったので、購入とあいなった。ちなみにマーケットプレイスで最後の1冊。新風舎が姿を消したいま、入手は困難かもしれない。 構成は9章からなり約70ページ。1時間あれば…

北原保雄編著『問題な日本語その3』(大修館書店、2007/12)

アマゾンの履歴を見ると、注文は2009年2月。6年間よまずにいたことになる。 感想としては、やはり難しいなあと。欄外のクイズは、半分以上間違えたりわからなかったりだった。 豊穣な日本語のすべてを知るのは厳しいので、知らない言葉は使わないに限ると思…

那須正幹著『ズッコケ中年三人組age49』(ポプラ社、2014/12)

花山駅前再開発に向け、資金集めが必要になったハチベエ。大金を投じてくれるという人が現れたのだが……。 - 楽しめた。ただ、いろんなことを片付けたいふうな意図も感じた。続きものが終わろうとするときにはよくある。 詐欺師の片ワレとして「稲垣」が登場…

吉永拓哉著、西川美和解説『少年院で、大志を抱け』(幻冬舎アウトロー文庫、2014/12)

幻冬舎の文庫は好き。理由は本書もそうだが、解説によって作品価値が増している度合いが大きいから。 本書はタイトルでわかるとおり少年院の体験記。より細かくいえばヤンキー入門から少年院を経て、南米生活にいたるまでが書かれている。 つゆ知らぬ世界に…

中島岳志著『世界が決壊するまえに言葉を紡ぐ』(金曜日、2011/12) 星野智幸・大澤信亮・重松清・開沼博を迎えた対談集。前のふたつが震災前、後のふたつは震災後。『週刊金曜日』掲載分を加筆・修正し再構成(奥付より)。 内容としては、各人の視座でもっ…

北原亞以子著、半藤一利解説『父の戦地』(新潮文庫、2011/8)

3年も読まずに放置。その間、著者はお亡くなりになってしまった。 内容は戦中の体験を振り返っての記録。特に従軍した父が幼い著者に送った絵葉書が核になっている。 全15回の構成。1回分は20ページに満たない。この短さが、些細なことまで思い出すのにはよ…

西村賢太著、江上剛解説『一私小説書きの日乗』(角川文庫、2014/10)

著作を読むのは初めて。それ以外はどうだろうとエバーノート内を検索したら、3つ出てきた。 ひとつめは、生い立ちと藤澤清造について語った夕刊フジの記事(2008年2月3日付)。ふたつめは『野性時代』の貧乏特集(2008年8月号)。そしてみっつめが参院選にコ…

原武史著『思索の源泉としての鉄道』(Kindle版、2014/11*1)

初出は『本』の2011年3月号から2014年7月号。時期的に、震災や三陸鉄道の話題が多い。 全体的な印象は、シリーズ4冊目ということもあり金太郎飴。ベースとなる考えが不変だから、何を書いても予想どおりの展開というか……。 そのなかで新発見は、BRTの記述。…

牧生桂『拝啓21世紀のあなたへ 16年目の告白』(愛育社、2000/12)

9年ぐらいまえに買った本をいまさら読む。 ポストカプセル2001を題材にした短編小説・全9編。ポストカプセルとは、つくばで科学万博があった1985年の手紙を、2001年になって届けるというもの。 話のテイストとしては、怨念を感じるものが多かった。そのほう…

中村慶行・小野大地著、望月正行監修『バックギャモン入門』(Kindle版、2014/7*1)

最近、アプリでギャモンをやっている。Backgammon Ace(バックギャモンエース)というのがそれ。オンライン対戦で、勝ち負けに応じて仮想通貨やレーティングが変動する。 これがなかなかすぐれもの。対局中にいいムーブ(移動)をすると、「GOOD」とか「EXCE…

玄田有史著『増補改訂 14歳からの仕事道』(イースト・プレス、2011/10)

購入後、2年半放置したすえの読了。参考にする部分は少ないが、読んでよかった。玄田が机で論を練るだけでなく、多くの人と会っているのがわかる。 一番有用だったのは、他人から意見を求められたときの対応(p.92-94)。まず賛成・反対の両意見を用意してお…

『スポーツアルバムNo.48 浅村栄斗』(ベースボール・マガジン社、2014/5)

このシリーズの例に漏れず面白い。もっとも興味深く読んだのは、大阪桐蔭時代をたどった「出会いと成長」(文:谷上史朗、全4ページ)。西谷監督は浅村の7歳上の兄のことを振り返る。努力家だが公式戦のベンチ入りはできなかった。西谷もなんとかメンバーに…

雨宮処凛『右翼と左翼はどうちがう?』(河出文庫、2014/3)

本書の構成としては、最初にかつて右翼団体に所属した著者の体験がある。次に右翼と左翼の歴史を紹介し、各々の活動家に話を聞く。最後にまとめと、2007年に親本が出て以降の著者の関心事がフォローされている(加筆部分は20ページほど)。 著者の体験は他の…

池谷裕二著『最新脳科学が教える高校生の勉強法』(東進ブックス、2002/4)

復習サイクルはどうするのが効果的か知りたくて購入。それ以外にも成果をあげるノウハウが多く書かれていて有用だった。 2004年8月10日第5版発行。なお、2011年に本書をアップデートした『受験脳の作り方』が新潮文庫から出ている。もっとも内容はほとんど同…

『追憶のロスト・ボールパーク 失われた球場物語』(ベースボール・マガジン社、2013/5)

後楽園・川崎・ナゴヤ・大阪etc。昔を懐かしむ球場本はたまにあるが、このムックは写真がよかった。サイズが大きくて、カラーのものはカラーで。 内容で印象に残ったのは、日生球場の生卵事件。9勝22敗の時点での出来事だったそうだ。今年の西武やDeNAは、下…

サタミシュウ著、今野杏南解説『SでもMでもなくこれは恋とか愛』(Kindle版、2014/3)

美樹という男を主人公にすえたシリーズの3作目。再び前作から時は流れ、美樹は学校教員を辞め塾講師になっている。書店員の女性が今回のターゲット。 感想としては、マンネリの部分が大きいかなと。思うようにしたい男と、それに応える女。組み合わせが同じ…

「週刊新潮」編集部編『黒い報告書インモラル』(新潮文庫、2013/2)

「近年の『黒い報告書』の中から、特に官能的で優れた作品を集めたアンソロジー」。ちなみにまえがきのこの説明、前作とまったく同じ。シリーズとしては4冊目で、次は今月末に出るそう。全17作品が収録され、初出は『週刊新潮』2011年1月27日号から2012年6月…