橋元恵一著『アットジャム 日本一のアイドルイベントをゼロから育てた10年間』(ユサブル、2021/3)

みっつの軸がある本。ひとつめはサブタイトルにもあるように、イベント立ち上げからのあゆみ。ふたつめは著者がアイドルに携わる以前の話。学生や社会人としてどんな経験を積んできたか。最後は業界の方との対談が2本。CDと配信のバランスやコロナ禍での課題などを語り合っている。

考え方の面で興味深かったのが、著者は「ロンドンハーツ」が大好きで、あの番組のもつファミリー感やアットホームさを自身のイベントでも出したいという話。そういうところから影響を受けてたんだなあと。

あとは興行の成否について。話題や盛り上がりを作れても、結局大事になるのは黒字か赤字か。そこからは逃れられないのを強く感じた。コロナ禍でチケットの値付けとかも変える必要が出て、従来とは違う苦労があるんだろうなあ。