読書
神山典士+『週刊文春』取材班著『徹底取材総集編 週刊文春が報じた「佐村河内守事件」』(Kindle版、2014/3) 第1弾から第6弾の記事を収録した電子書籍。うち5個は読んでいたものの図書館。やはり有用な報道には金を落とすべきだと思い購入。特に再読して書…
前作『彼女はいいなり』から時は流れ、高校生だった男が今度は教職に就き、物語が織りなされる。 相変わらず面白かった。あっけないが意表をつくラストもいい。今作で最後かと思ったが、『デジタル野性時代』2013年12月号から2014年3月号にかけて「SでもMで…
購入して1年以上放置。このたびページめくって驚き。巻末の解説*1が壇蜜。帯の写真には気づいていたが、解説もやっていたとは……。 ストーリーを大ざっぱに書くと、主人公は美樹という女みたいな名前の男。高校2年生で、幼なじみの恋人がいる。初体験は当然、…
市会議員となった八谷良平が痴漢の疑いをかけられる。疑惑は早々と晴れたのだが……。 - アマゾンレビューで不評だったが、いやな予想は裏切られ、楽しく読めた。このさきageいくつぐらいまで読めるかな。
このまえ電車のるときイヤホンを忘れた。音楽が聞けず、アプリ内に眠ってた本書を読む。 3部作の2作目。コーちゃんの高校入学からストーリーが始まる。相変わらずの暴力と、年齢相応にセックスと、変わりつつある人間関係へのさみしさが物語を貫く。 面白い…
巻頭は渡辺久信インタビュー。いまさら彼の話に新しいネタはないだろうと思っていたが、予想は裏切られた。特に興味深いのが、「肩は消耗品」論について語った部分。 「ウチは『若いうちは完投を目指せ』という指導をしています。(中略)肩は消耗品とか賛否…
このシリーズは中身が濃くて、いつも楽しんでいる。今回も満足な内容。ただインタビュー3本が雑誌の再録で、すでに読んだ人は物足りないかもしれない。 いちばん工夫を感じたのが、PCの検索ワードについて語った企画。ふつう他人に披露するものじゃないから…
当時、返還直後で何かと話題だった香港。二国の間で揺れる香港人はどのような気質を有しているのか。本書はそれをつづったエッセイ集。 ネタの賞味期限は切れていると思うが、それでも楽しめた。 著者いわく、香港人は自分の利益しか考えないらしい。だから…
帯の言葉を借りると、「人気漫画家が説く”ニッポン経済論”」。トピックは家電業界だとか、就職事情、原発など。日本経済論と漢字で書くほどの硬さはない。エッセイ集のように気楽に読める。 全体の感想から書くと、個人的には面白かった。ただし、その面白さ…
ハチベエが市議選に出馬。時を同じくして、モーちゃんとハカセの生活にも変化が訪れる――というのが大まかな話。 余韻を残さず、紙幅の都合でまとめたかのような結末は、やや不満が残った。あとは三者三様の日々ではなく、選挙だけで1冊にしてほしかった。陽…
WOWOWで放送されているドラマの原作。まちBBSの大船スレでロケ情報を目にして以来、気になっていた。肝心のドラマそのものは、WOWOW未加入のため見ていない。 主人公はうつ病に苦しむ男。あるとき、郵便配達員の捨て去った手紙7通を発見し、自分がなりかわっ…
連載はPDFで保存している。だから、単に挿絵のまとめだったら購入する意味はない。しかし本書はプラスアルファがある。 ひとつは自作に対するコメント。もうひとつは、作品を描いた日と新聞掲載日が記されていること。さらにおまけで、ボツ作品をひとつ収録…
バットのロゴでアディダスのイメージが強いけれども、グラブは久保田スラッガーなんだよなあ。先日読んだ3でも思ったが……。 内容的に引っかかったのは、斉藤一美と千代綾香との対談がほぼすべて。数字にまつわる質問は控えてる、英語の辞書を持って入寮した…
年をとれば、近しい人の不幸も増えてくる。物語はそんなところから始まり、亡き人をめぐってトラブルが起こる。 読者に子どもを想定してないとはいえ、大人の世界へ大胆に踏み込んできたなあと思う。面白く読んだ。 あとがきでは、作家仲間を失ったことが本…
これで3冊目。売れなければ続編は出ないわけで、めでたいことだ。 そういえば2冊目の記憶がない。それもそのはず。買ったのに読んでなかった……。またいつか。 - 今作は写真中心なので、読みどころは少ない。そのなかで3つほど、興味深いところを。 まずは10/…
野球の話で興味深かったのは、大阪桐蔭の練習3日目でキャッチャーからコンバートされたこと(p.71)。2年秋の右手小指骨折(p.72)。あとは、牽制球に対して頭から帰塁ができないこと(p.46)。そういわれてみればそうだなあ。 野球以外だと、2005年あたりの…
栗山というとまず印象的なのが、インパクトで口をふくらませていること。本書の写真でもその姿が堪能できる。堪能するものなのかはわからないが……。 そしてまた、インパクトのときに体勢が崩れない。しっかり振り切ることを重視するがゆえ、左打者ながら内野…
よのなかの見方が変わる。そういう本はたまに出会うが、小説では初めてかもしれない。 主人公の三上は県警の広報官。記者対応を担っている。クラブの連中に、どこまで情報をくれてやるのか。どうすればいきり立つ彼らをなだめることができるのか。もちろん三…
内容は展示の紹介プラスアルファといった感じ。振り返り用に買ってみた。 印象に残った部分がふたつ。ひとつはプロローグでの大石又七さんの言葉。早期の政治決着で、被ばくしたにもかかわらず被ばく者とは認められなくなってしまったことがくやしいと(p.5…
前巻までと設定の統一をとろうとして、説明的描写が多くなっている印象。それでも、よく似た種族と邂逅するお話は楽しめた。
期待にたがわず面白かった。形式は「連作長編」。第1話の「ミクマリ」が「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作。あとの4話は、視点を変えて物語が進行していく。 「ミクマリ」は、高校生の主人公がコスプレ女に役を与えられ、セックスをする話。主人公…
「日本一有名なタウン誌『銀座百点』に掲載された珠玉のエッセイを厳選60編」(帯より) 文庫オリジナルだが、よくこんな本を作ろうと思ったよな。というのは、収録作の時代的な幅が広いから。もっとも古いもので1957年掲載、最新は2010年。ピックアップする…
「近年の『黒い報告書』の中から、特に官能的で優れた作品を集めたアンソロジー」(まえがきより)。全17編収録。文庫オリジナル。 過去2作同様、娯楽として鉄板。やはり下手な書き手を使っていないからなのか。あるいは、こういった内容のものを書けば、筆…
定職についていない主人公が、母の病と境遇を知り、変化していく。 身につまされる話だった。たとえば、「何でもいい」「どうでもいい」は相手の負担になっているという箇所(p.59)は、自分も反省するところがある。 でも就職した後の展開は、主人公の気持…
『酒とつまみ』前編集長が、酒とのかかわりを軸に、自らの来し方を綴った本。文庫オリジナル。 私は酒を飲まないので、関心が大竹さんの人生のほうに向くのだが、色々あって今があるんだなと思った。ごく一部をあげれば、アマチュア相撲を取材していたりとか…
山平のことは名前すら知らなかった。以前、早稲田で森達也のドキュメンタリーをまとめて上映する機会があった。山平が登場する「放送禁止歌」もやったのだが、時間の都合で見られなかった。そう思っていた。 だが過去のブログをたどると、実は見ていることが…
モザイク職人の情報と、小さな子どもを絡ませたあたりが、面白く読めた部分。あとは最終的な着地に「そうきたか」という興奮はあった。 全体としては特徴のない作品だと感じたが、「能天気なラブストーリーへのアンチテーゼを唱える小説」と評価し、長所を見…
本書は日刊ゲンダイの連載がベースになっている。掲載分はネットにも以前あったのだが、再読しようと思ったときには見当たらなくなっていた。このたび単行本化されているのを知り、購入した次第。 しかしながら、私が読みたかった箇所は削られたようだ。それ…
単行本は1973年刊、講談社文庫には1983年収録。今回の新装増補版刊行にあたっては、補章の補章「キカンコーとハケン」が追加されている。 著者がトヨタで働いたのが1972年から翌年にかけて。それから40年たっているわけだが、むかしのことを読んでる気がまっ…
Jを振り出しにパラグアイ、メキシコ、スペインと渡り歩いた男の記録。文庫化にあたって、単行本刊行後の4年がフォローされている。 サッカーは詳しくないので、この人物のことは知らなかった。「福田? レッズの?」と勘違いしたぐらい。 それでも面白く読め…