池田進吾著『空の拳 挿画日記』(日本経済新聞社、2012/10)

連載はPDFで保存している。だから、単に挿絵のまとめだったら購入する意味はない。しかし本書はプラスアルファがある。
ひとつは自作に対するコメント。もうひとつは、作品を描いた日と新聞掲載日が記されていること。さらにおまけで、ボツ作品をひとつ収録。
私は池田の挿絵をイマイチだなと思って見ていた。だから、池田のコメントがうまくいかないことに対する弁明形式になっているのは納得。私の疑問へのアンサーのようでもあり、興味深く読んだ。
そして日付の件だが、これが意外に楽しめる。刊行記念トークでの発言によると、締め切りは掲載前日の午後2時とかだったらしい。
作成日と掲載日が併記されていることで、ああこれは余裕をもって描いたんだなあとか、ここらへんは綱渡りが続いているなあとか、思いをめぐらすことができる。作成日をメモっておいたのが編集者なのか池田本人かはわからないが、いいアイデアだった。
全体を通して思ったのは、やはりスポーツに望まれる躍動感がなかったということ。時間が止まっちゃってる絵が多い。
あとは本人も書いている(p.170)が、茶色系統の多さが印象に残る。