「銀座百点」編集部編『私の銀座』(新潮文庫、2012/4)

「日本一有名なタウン誌『銀座百点』に掲載された珠玉のエッセイを厳選60編」(帯より)
文庫オリジナルだが、よくこんな本を作ろうと思ったよな。というのは、収録作の時代的な幅が広いから。もっとも古いもので1957年掲載、最新は2010年。ピックアップする大変さが容易に想像される。なお『私の銀座』というタイトルだが、前半を中心に銀座と無関係なエッセイもいくつか。
印象に残ったなかからふたつあげると、まず横山秀夫「春に想う」。心筋梗塞で倒れた際の激務ぶりが綴られている。あとは角田光代「足裏文化考察」。電車内などで足を投げ出すのは、筆者いわく日本特有の現象だそうな……。