大竹聡著、石田千解説『酒呑まれ』(ちくま文庫、2011/11)

『酒とつまみ』前編集長が、酒とのかかわりを軸に、自らの来し方を綴った本。文庫オリジナル。
私は酒を飲まないので、関心が大竹さんの人生のほうに向くのだが、色々あって今があるんだなと思った。ごく一部をあげれば、アマチュア相撲を取材していたりとか、イギリスでテツドーというマーシャルアーツの大会を観戦したりとか……。それでも、印象はホッピーマラソンを読んだときと変わらない。一言で書くと律儀。取材でいった店を個人的に再訪することをとても大事にしている。
酒についていうと、本書では店の雰囲気よりも味にフォーカスがおかれているように思う。むかしに飲んだものをよく覚えているよなあ。
本としては、トピックごとに決まった分量で収まりがいい一方、もう少し強弱がほしかった。