有川浩著、重松清解説『フリーター、家を買う。』(幻冬舎文庫、2012/8)

定職についていない主人公が、母の病と境遇を知り、変化していく。
身につまされる話だった。たとえば、「何でもいい」「どうでもいい」は相手の負担になっているという箇所(p.59)は、自分も反省するところがある。
でも就職した後の展開は、主人公の気持ちが上向きで、読んでいて快感を覚えた。
この著者は初。行動と会話でストーリーをばしばし動かしていくから、文学賞にはひっかかりにくいタイプだろう。