映画

『マネーボール』

まあこんなもんかな、と。映像にしたらこんなふうになるんだという面白みはあった。ただビーンの父としての側面など、フィクションでやった部分がいまいち心に響かなかった。ビーンの相棒がオタク風情なおかげで見られたところもある。 パンフレットは長谷川…

『ミッション:8ミニッツ』

舞台は違えど、描かれていることが監督の前作*1と非常に似通っている。人間の生きている現在がリアルかを突きつけてくるというか……。 前作のようなアート性はなかったが、エンターテインメントとしては十分な出来。面白さと同時に、現実が揺さぶられるのは私…

『マイ・バック・ページ』 原作未読だから、純粋にストーリーを楽しめた。といっても、パンフレットによるとノンフィクションである原作を基にしたフィクションであるらしい。逮捕された後のストーリーがうますぎるもんな。 『八日目の蝉』 こちらは原作を読…

『紀子の食卓』 早稲田松竹にて2本立て。平日午前なのに7-8割*1は入ってた。まあ、学生は夏休みだから平日とか関係ないか。 - 先の読めないストーリーで引き付けるゆえ、エンターテインメントとしては十分すぎるほど面白かった。 ただ、家族のつながり、連関…

『ブラック・スワン』

トレードという金券屋で、『ブラック・スワン』1枚くださいと声をかけた。 そしたら、「どちらでご覧になりますか?」という。 なんでそんなこと聞くんだろうと思いつつも、すぐそばの「ムービル」と答えた。 疑問はすぐに解けた。出てきた券が東急グループ…

『ハーモニー』 韓国映画。女子刑務所のなかで合唱団が結成される。その活動と所内での生活を描いた作品。 個人的に刑務所ものは、はずれがないと思う。これもやっぱり面白かった。終盤、「2日続けて面会」であることに気づき、一同だまり込む。この構成はう…

『トゥルー・グリット』

時間が空いたので、急遽映画鑑賞。コーエン兄弟は、ずっと前に『ファーゴ』をレンタルビデオで見て以来。まだレンタル店の主流がDVDじゃなかったころのことだ。 さてこの『トゥルー・グリット』だが、ひっかかりを感じず安心して楽しめる作品という印象。西…

『毎日かあさん』

重松清がパンフレットに文章を寄せているということで見にいく(パンフについては後日)。朝11時台の回で、子ども連れも多かった。画面のセリフを復唱する子やら、ポップコーンをぶちまける子やら……。そういうことがあるからこそ劇場なので、別に嫌な感じは…

『赤い文化住宅の初子』

去年の年末にテレビ東京(だったかな)で、放送されていたので見た。大味さのない物語だが、案外こういうのがリアルな貧しさなのかもしれない。 広島が舞台という設定らしいが、三浦半島の景色が出てくる。このへんの評価は原作を読んでない私にはできない。

『愛のむきだし』

4時間たっぷり楽しめた。極端なものは潔く美しくそしておかしい。ニヤリとさせられるシーンが数分おきにあり、客を引きつけて離さない。個人的には年末の「ガキの使い」特番と並べて位置づけたい作品だ。 中身について書くと、ゼロ教団が盗聴をしているとい…

『害虫』 まるで作りかけのようなラストは、ある意味小説的ともいえるか。館内に掲示されていたポスター(パンフレット?)の文言に「学校は戦場だ」みたいに書かれていたが、およそ人というものが存在する場所はすべて戦場なのかもしれないなと思った。 - …

『インビクタス 負けざる者たち』 王道の映画作りというか、見やすくていい作品だった。ラグビーのパスはサッカーのそれよりも気持ちのつながりを感じられる。スプリングボクスが黒人地区に出かけて子どもとふれあう場面や、警備の人間が黒人・白人問わずパ…

『パリ、テキサス』 早稲田松竹にてヴィム・ヴェンダース監督作品2本立て。大盛況で立見も5人ほどいた。 音楽とカメラワークが芸術作品然としてるのに反してストーリーはかなり俗っぽく、2時間超を楽しんで見られた。子を思う親の尊さのすばらしきことよ。 …

『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』

音楽を扱った映画なので、とりあえず聞けば楽しめるかなと思った。がしかし、これは知識がないと見てもあまり理解できなかった。パンフによると別途CDが出ているそうで、映画のほうは記録を残すという点がメインだったかな。 キネカ大森(シアター1)にて。

『やさしい嘘と贈り物』

構成はわりとありきたりに感じた。ただロバート役の演技はすばらしい。行動からにじみ出るういういしさが半端ではない。 宮崎キネマ館(キネマ1)にて、16:10の回を鑑賞。客3人ほど。

『カケラ』

安藤モモ子が監督で、満島ひかりが出ていて、あとは惹句が刺激的。それだけの情報で見たのだが、えらく面白かった。 ハルが男と付き合うだらしなさ。そして、それとは対照的なリコとの関係。女同士が最初にした口づけは、過去に見たどんなキスより美しかった…

『月あかりの下で―ある定時制高校の記憶―』

とあるクラスの入学から卒業までの4年間、プラス後日談をおさめたドキュメンタリー。面白かった。問題行動続発で、あわてふためく先生……ってな展開かと思ったが、さにあらず。わりと静かな映画。感情をうまく表せない生徒たちの戸惑いとかもどかしさを、しっ…

『ねこタクシー』

ついに明日で閉館となるフジサワ中央2にて。予告編はもちろん、上映中はなんたらかんたらいう注意さえもなしで、いきなり本編だった。18:15-の回を鑑賞。客入りは4-50人ぐらいだったかな。 - ストーリーをなぞってみればいい話かもしれない。しかし、映画と…

『パーマネント野ばら』 これといった感想はないのだが、田舎における世界の狭さがよく描かれていた。そして田舎の男はすぐ殴るなあ、と。 原作者の登場にはまったく気づかなかった。 『ソラニン』 原作は読んでいないのだが、20代半ばの宮崎あおいを切り取…

『渇き』 カメラワーク、画面の構図がとにかく面白かった。うわーこんな動きを入れるか、と驚かされるシーンがいくつもあり、感心させられっぱなし。ストーリーもそれなりに楽しめる。 そして何より主演女優がもろに私の好み。 『蘇りの血』 舞台は過去だが…

『おのぼり物語』

見る人を選ばない佳作。会話というものが様々なかたちで描かれていて、どれもが印象的だった。面と向かって、あるいは顔を見ずに。そして通訳を介して。 自転車の前後・自転車に乗った先輩と、路上のカラスヤ・病室で寝る父親、脇に立つ息子・ベンチに座る父…

『クロッシング』

きのう、フジサワ中央1にて。 最初に劇場ついて書いておきたい。5月に偶然ここの前を通りかかって、びっくりした。藤沢にある映画館は全部つぶれたと思ってたので、まだやってたんだな、と。 以来、興味ある作品をやらないかとチェックしていた。それでこの…

『ザ・コーヴ』

横浜ニューテアトルにて。メガネを忘れたので、なるべくまえのほうにいきたかったのだが、最前列は座れないようになっていた。理由はいわずもがなだろう。 本作の試みは3つほどある。まず入り江での漁を撮影すること。次に水銀の危険性を周知させること。そ…

『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』 『ハート・ロッカー』のビグロー監督による1995年の作品。主人公の男*1は、ある装置とディスクの売人をしている。それらを使うと、他人の人生のひとコマを、まるで当人のように体験できてしまう。最初はセックスシー…

『フローズン・リバー』

珍しい作品だなと思った。映画というのは通常2時間ぐらいで、それがため、キャラクターの色づけはそんなに複雑でないことがほとんど。 しかし本作は違う。登場人物みなが、簡単には説明できない立場にある。 ラストもきれいには片付かない。それでも生きてい…

『パラノーマル・アクティビティ』 新橋文化劇場にて2本立て。ここは初めてきた。駅徒歩1分という好立地。だけどガード下なので、振動はがんがん。いわゆるフロント的なスペースがなく、トイレはスクリーンの左右に位置している(右が男子)。上映中に用を足…

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』

ロードームービーだし、いわゆる映画俳優が次々に出てくるので、楽しめることは楽しめる。ただ、影響を胸のうちに残すところは正直なかった。 気になったことがふたつ。まず、盗んだトラックのナンバーで追跡されないのかということ。そしてもうひとつは、地…

『アイガー北壁』

まだ誰も登攀(とうはん)していなかった難所へ挑む男たちの物語。ナチスや男女関係、メディアの介在なども描かれるが、そちらはわりと控えめで、山登りの緊迫感をたっぷりと見せてくれる。 挑戦の数だけ、生死をめぐるドラマがあるんだろうなあと思った。そ…

『サロゲート』 人型ロボット「サロゲート」が普及した未来。人間は外に出歩くことなく、「サロゲート」をオペレートしているだけでよくなった。しかし、そんな世界にきしみが生じ始める。 大胆な設定をストーリーの面白さにつなげきれていない。うまいなあ…

『ハート・ロッカー』

ストーリーはわりと平板なのだが、戦地の臨場感がただならない。 終盤、主人公が買い物をするシーンがある。棚に並ぶシリアル。どれも似ていて違いがわからない。一瞬戸惑うが、ひとつを取ってカートに入れた。 いったい何を示しているのだろうか。私が思っ…