映画

『かぞくのくに』

dビデオにて。選んだ理由は公開当時も見たかったから。 安藤サクラ演じる主人公のリエ。彼女の兄はかつて帰国事業で北朝鮮へ渡った。このたび病気の治療で25年ぶりに日本へ戻ってくる。本作は兄が家族と過ごした日々を描く。 名作といっていいと思う。言葉を…

『人狼ゲーム』

dビデオにて。人狼が好きなので見てみた。 ゲームのプレイヤーはどこからか施設に集められる。脱出の条件はこれこれで、生き残ったら一億ゲットというビデオが流れて、ゲーム開始。 その後の展開は詳述しないが、人狼ゲームとはよのなかの縮図であり、生存競…

『ヒマラヤ 運命の山』

dビデオにて。選んだ理由は、例によって音楽がサンタオラージャなので……。 原題は「Nanga Parbat」(ナンガ・パルバート)という山の名前。私もだが、これでは山岳映画とわからない人がいるかもしれない。だから説明調の邦題をつけたのだろう。 主役として描…

『アモーレス・ペロス』

dビデオにて。『バベル』(2006)、『21グラム』(2003)と見てきたが、これらの監督・脚本コンビのデビュー作にあたるのが『アモーレス・ペロス』(2000)。 すでに見た2作同様、複数の話を展開してからめる筋立て。本作の場合は章題のようなものが出るので…

『21グラム』

dビデオにて。この作品を選んだ理由は、『バベル』と同じで音楽のサンタオラージャが好きだから。2006年ごろ、新文芸坐で見るつもりだったのに寝坊した過去がある。 主な登場人物は3人。心臓移植を受ける男、ドナーの妻、そしてドナーを車でひいた前科者。 …

『バベル』

dビデオの31日間無料見放題に登録してみた。3日に1本ぐらいのペースで見たいなあと思っている。 『バベル』を選んだのは、音楽のサンタオラージャ(本作でアカデミー作曲賞)が好きなのと、菊地凛子演じるチエコの聾という設定に興味をもったから。 舞台はモ…

『舟を編む』

正月にBSジャパンでやっていたもの。時間がなくてようやく見ることができた。すぐれた娯楽作品で楽しめる。個人的にはオダジョーを久々に見たなあ。

『バンクーバーの朝日』

29日に書いたNONFIXがよかったので見にいった。期待していたが、良薬にも毒にもならない作品で残念。あの興奮のドキュメンタリーがあって、なんでこんな薄っぺらい映画ができるのか……。ただ、当時の差別がどうであったかについて女性視点を盛り込んであるの…

『ハルフウェイ』

きのうBSプレミアムにて。小林武史音楽で、以前から見たいと思っていた作品。 恋人の男のほうが「東京の大学にいく」という。女は「なんで教えてくれなかったの」。以下、いくべきなのかやめたほうがいいのかの逡巡。ほとんどそれだけで1時間半が過ぎていく。…

『問題のない私たち』

Amazonインスタント・ビデオで「沢尻エリカ」を検索して、この作品を知った。あらすじとレビューが面白そうだったのでレンタル。 舞台は女子高。題材はいじめで、主に出てくる7-8人が代わる代わるターゲットにされる……。 と、まあよくある流れなのだが、残像…

『ボウリング・フォー・コロンバイン』

おもしろかった。アメリカで銃殺が多いのは、NRAが強大でアイテムが気軽に購入できるからだと思っていた。しかし、そう単純ではないようだ。 カナダも銃へのアクセスが容易なのに、アメリカのような事態になっていない。マイケル・ムーアはその要因を探る。…

『アクト・オブ・キリング』

鑑賞のきっかけはウェブの記事。町山智浩が報道に憤っていたやつ。 題材はインドネシアでかつてあった虐殺。本作は殺人をした当事者に状況を再現させ、その模様をおさめたドキュメンタリー。 手法として秀逸で、興味深く見られた。殺人者の語りがとにかく饒…

『温泉みみず芸者』(1971) すぐ男にだまされる母と、そんな母を放っておけない娘の圭子。温泉街に集う男たちは、圭子が名器を持っていると聞きつけ、寄ってくる。はたしてセックスで相手を退けるのは男なのか、圭子なのか……。 いまの映画と比べると、おそ…

『そして父になる』

重松清がパンフに文章を書いてるのが鑑賞のきっかけ。とても面白かった。 子どもの取り違えだけでなく、様々な要素をからめている。兄弟の有無だったり、貧富、仕事、暮らしている土地……。さらには、取り違えた原因もひとひねり。それでも盛り込みすぎとは思…

『オン・ザ・ロード』

いったい何年待たされたんだろう。ふと思いついては「公開まだかな」と検索していたが、あまりにも動きがなく、ここ2年ほどは忘却のかなただった。 以上の経緯があるので当然、期待はしていた。そして、それに見合うものだった。 ドラッグ、女といった要素が…

『レインマン』

DVD2枚組(本編&特典)。7年前に、ビデオ屋の閉店セールで購入。それ以来、開封すらせず。 このたび思いつきで見てみたのだが、どうも初めてじゃないっぽい。飛行機へ乗るのを拒むシーンとか、カジノのくだりとか、微妙に記憶がある。内容に教育的な面がある…

『トータル・リコール』(2012)

別記したとおり、ほぼすべて寝ていた。 この映画はたしか、新聞の短評を見たとき、設定は面白いものの後半がほとんどアクションになるとかで、はずした気がする。 ちょこちょこ起きていた部分では、やはりアクションだったようだ。感想それだけ。見てないの…

『ヘルタースケルター』

そこまで強く見たかったわけではないが、ちょうどいい時間だったので……。 一言でいうと面白かった。沢尻エリカ主演で、彼女と重なるところの多いストーリー、豪華キャスト。それだけで十分見られる。 監督の蜷川実花は独特の色彩感覚を持っている。元が無色…

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』 新世界国際劇場にて3本立て。しかし予定に思ったより時間がかかって、最初の『マシンガン・プリーチャー』は後半しか見られず。案の定、ストーリーが把握できぬまま終わった。 - それで2本目のサッチャーへ。特に何…

『月に囚われた男』 2年ぶり2度目。前回見たときは名作だと思ったが、ストーリーを知っていると意外と冷静に見られた。ラストはこれで終わりなんだっけという感じ。 『ペントハウス』 富豪が住むタワーの管理人と、ひそかに悪事をはたらく詐欺師のバトル。 …

『テルマエ・ロマエ』

面白かった。風呂は神秘に富んでいると思った。 パンフレットに出ている上戸彩の言葉「こういうお仕事をさせていただくようになってからは、なかなか大浴場や銭湯に行けなくなってしまった」がやるせない。

『アリラン』

映画作りから遠ざかった監督が、自らを探ってフィルムに収めたドキュメンタリー風の作品。虚実の狭間での感情の発露。 一言でいうと、楽しめなかった。映画作品へするにあたっての工夫は悪くないが、物語性がほとんどなくて、見ていてつらい。それでも、思索…

『すべては「裸になる」から始まって』

結論からいうと、乳首を見せないという制約がまずかったと思う。それがため、セックスシーンも胸のところだけこねくりまわすようなことになって、作り物っぽさがぬぐえなかった。劇中の世界に浸れず、撮り直しや編集の苦労ばかり考えてしまった……。 あと、こ…

『ミケランジェロの暗号』 そこそこ楽しめた。ラストの鮮やかさが見事な反面、ストーリーを引っ張る力は弱かった。歴史的な境遇にしても、秘め事をもって行動するシリアスさも、高みに到達していないというか。 あと、原題と異なるこのタイトルは作品にふさ…

『サウダーヂ』

1000円だから何か見ようかな程度の気持ちだったが、思わぬ収穫を得た。 作品については、新聞で概要を知っている程度。甲府が舞台で、役者も実際そこで暮らしている人で、撮影は休みの日を利用、等々。 2時間40分以上あるが、本作のモノの違いは開始早々から…

『お熱いのがお好き』

追っ手から逃げる男2人。女性楽団で働くために変装する。そこで出会った同僚の女に、彼らがアプローチしていくというコメディ。 5分に1回ペースで笑いがあって、すごく楽しめた。ラストのあっさり感もいい。あと、変装という要素は映画にはもってこいだなと…

『ヒミズ』

私は演技を見る作品が好きじゃないなと再確認。やっぱりストーリーに魅力がないとね、楽しんだ感が得られない。 印象に残ったのは、想像していた以上の廃墟。まだガレキの撤去も進んでない時期だからこそなんだろうが、本当にズシンとくる。あとは、スリの鮮…

『水曜日のエミリア』 三軒茶屋中央劇場にて2本立て。建物は古いながらも格式が感じられ、いいあんばいだった。早稲田の1号館とか3号館*1みたい。そんな館内にあって、券売機だけはなぜかタッチパネルの新しいものだった。 - さて『水曜日のエミリア』だが、…

『テザ 慟哭の大地』

エチオピアの故郷に里帰りしたはいいものの、憔悴しきった男。そして、しきりにフラッシュバックする男のたどってきた道筋。 序盤はどういう構造を持った物語なのか見えず、とっつきにくかった。作品にどっぷり浸かれるようになったのは、差別を受ける男の苦…

『恋の罪』

いくつか見てきた彼の作品と比べると、エンターテインメントとしての質はやや落ちる。しかし、終わってみるとうまくできたストーリーだなと思った。 たとえば、最初にいずみの友だちがやってくるシーン。夫が外で執筆していると聞いたときに示した反応は、あ…