『温泉みみず芸者』(1971)

すぐ男にだまされる母と、そんな母を放っておけない娘の圭子。温泉街に集う男たちは、圭子が名器を持っていると聞きつけ、寄ってくる。はたしてセックスで相手を退けるのは男なのか、圭子なのか……。
いまの映画と比べると、おそろしくテンポよく進む。人間の死ぬあっさりさと、圭子の妹・幸子のきれいさで楽しめた。幸子は登場シーンがもっと多ければよかったのにな。

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いまとの比較をさらにすると、セリフが吹き替えなのは、かなり違和感があった。その場での録音と、タイミングが全然違う。
それと驚きなのが、冒頭の「土肥観光協会」協力みたいなクレジット。おっぱい出しまくり、セックスしまくりの映画を、観光協会がバックアップする、そんな時代があったんだなあ、と。

多羅尾伴内 鬼面村の惨劇』(1978)

探偵が周囲のミスを正して殺人事件を解決する話。テンプレどおりといった感じで、私としては退屈だった。
しいてほめるとすれば、小道具とか美術面はよくできていたかもしれない。

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『温泉みみず芸者』もそうだが、このころの映画は90分という尺がスタンダードだったのだろうか。だとしたら、それが2時間へ移行したのはいつごろだろう。

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以上2本、シネマヴェーラ渋谷にて。「追悼! 天尾完次」特集。