『サウダーヂ』

1000円だから何か見ようかな程度の気持ちだったが、思わぬ収穫を得た。
作品については、新聞で概要を知っている程度。甲府が舞台で、役者も実際そこで暮らしている人で、撮影は休みの日を利用、等々。
2時間40分以上あるが、本作のモノの違いは開始早々から見られた。工事現場での会話のリアリティがハンパじゃないのだ。口調はもちろん、話の中身も。パンフを読んで納得したが、主演の役者が実際に土方仕事をしていて、彼のアドバイスが活かされているそうだ。
作中、描かれていることは様々ある。地方で生きること、変化に乏しい日常を生きること、働くこと、外国人労働者の問題。それらを手加減なく詰め込んでいるがゆえに長尺になっている。
この映画をたとえていうなら、洪水だと思う。甲府に生きる人の抱えているものが、洪水となって押し寄せてくる。そんな体験をさせてもらった。
シネマジャック&ベティ(シネマベティ)にて。ベティのトイレは劇場内。古いところにいくと、たまにこういうタイプがあるのはなぜだろう。むかしはそのほうが都合がよかったのか。