『アモーレス・ペロス』

dビデオにて。『バベル』(2006)、『21グラム』(2003)と見てきたが、これらの監督・脚本コンビのデビュー作にあたるのが『アモーレス・ペロス』(2000)。
すでに見た2作同様、複数の話を展開してからめる筋立て。本作の場合は章題のようなものが出るので、より明確な3章構成になっている。
それぞれの主人公にあたるのが、飼い犬を闘犬でたたかわせる男・人気芸能人の女・アサシンの老人。
タイトルの意味は「ペロ(犬)のアモール(愛)」。犬は3つすべてに出てくる。テーマはさまざまあると思うが、いくつかの対立軸が見える。
ある人がバトルに犬を出す一方、消えた犬が眠れぬほど心配な人がいる。
人殺しを職にする男が、瀕死の犬には情を寄せる。
最後にアサシンは任務を完遂しなかった。それは心境の変化があったのか何なのか。随所で解釈の余地を残すのは上にあげた2作に同じ。本作も映画の面白さを十分に味わうことができた。
dビデオで現在見られるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の作品は3つだけ。またどこかで機会があれば。