『オール讀物』10月号
「すねぼんさん」「タオル」というふたつの短編に加え、伊集院静との対談が掲載されている。短編ふたつはかなり短いもので(掌編)いずれも身近な人の死を扱っている。『卒業』は中編だったけど、これから同じテーマを短編でやるのかな。
「すねぼんさん」は、トラックの運ちゃんだった父を亡くした少年の話。重松清の父親もトラック運転手だったっけ、そういえば。
「タオル」の方は、漁師だった祖父を亡くした少年の話。文中に少年のモノローグで「故人の写真が話の肴になっている」みたいな記述があったのだが、少年の言葉で「肴」はちょっと出てこないような気もする。
対談の方は、少年小説を書くということについて。話が多岐にわたってしまい、深いところまで及んでいないのが残念だが、冒頭の方言に関する話は興味深かった。ちなみに上にある「すねぼんさん」っていうのも方言。
『婦人公論』10/7号「女のニュース 男のニュース」
オリンピックをめぐる日本のマスコミの報道について。日本勢が思っていた以上のメダルを獲得していくにつれて、オリンピック全体を見渡す報道から、「今日の日本勢はどうだった」というようなものに変わっていった。日本勢が好成績を収めなかった競技にも素晴らしいシーンがあったのに、こういう報道のしかたはもったいないという内容。やっぱり物書きは目の付け所が違うなと感心。