オール讀物』10月号

「すねぼんさん」「タオル」というふたつの短編に加え、伊集院静との対談が掲載されている。短編ふたつはかなり短いもので(掌編)いずれも身近な人の死を扱っている。『卒業』は中編だったけど、これから同じテーマを短編でやるのかな。
「すねぼんさん」は、トラックの運ちゃんだった父を亡くした少年の話。重松清の父親もトラック運転手だったっけ、そういえば。
「タオル」の方は、漁師だった祖父を亡くした少年の話。文中に少年のモノローグで「故人の写真が話の肴になっている」みたいな記述があったのだが、少年の言葉で「肴」はちょっと出てこないような気もする。
対談の方は、少年小説を書くということについて。話が多岐にわたってしまい、深いところまで及んでいないのが残念だが、冒頭の方言に関する話は興味深かった。ちなみに上にある「すねぼんさん」っていうのも方言。

婦人公論』10/7号「女のニュース 男のニュース」

オリンピックをめぐる日本のマスコミの報道について。日本勢が思っていた以上のメダルを獲得していくにつれて、オリンピック全体を見渡す報道から、「今日の日本勢はどうだった」というようなものに変わっていった。日本勢が好成績を収めなかった競技にも素晴らしいシーンがあったのに、こういう報道のしかたはもったいないという内容。やっぱり物書きは目の付け所が違うなと感心。

週刊ポスト』10/1号『最後の言葉』書評(評者佐藤学=東大大学院教授)

特に感想なし。この本の書評は(ネット上のものを含めて)どれも同じような感じだ。

9/18のETV特集

重松清出演予定ということで見たが、ほとんどのVTRが既出のもので構成されたひどい番組だった。重松清に関して言えば、昨年の暮れあたりに放送された宮台さんと藤原さんとの対談が繰り返されただけ。私の貴重な1時間30分という時間を返してほしいぐらいだ。

上で既出をひどいと言っておきつつ

既出の話だが、『ビフォア・ラン』と『幼な子われらに生まれ』(いずれも幻冬舎文庫)が重版された。(ちなみにアマゾンだと『ビフォア・ラン』の在庫があり、bk1だと『幼な子われらに生まれ』の在庫があるようだ)このためアマゾンの『ビフォア・ラン』のところに、新しいレビューがふたつ入っている。それを見て、やっぱりみんな待ち望んでたのかなと思った。