第50回紀伊国屋サザンセミナー

きのう19:00から、紀伊国屋サザンシアターにて。「没後20年『夏の闇』直筆原稿 完全再現版刊行記念 開高健を語ろう―小説家の植えた〈リンゴの木〉」というタイトルで、角田光代さんと対談。
大ざっぱにまとめると話題は、角田さんの『輝ける闇』との出会い・その後、および旅について書くこと、といったところ。以下、感想とメモ。
・終わって席を立とうとしたとき、近くの人たちが「意外と面白かった」と話していた。私もそんな気持ちだ。というのは、別に期待をしていなかったわけではない。開高健論みたいなまじめな話を想定していたから、そうではなくて、硬くなく聞きやすい対談だったなあと。
・冒頭に長いタイトルを書いたが、それからして、再現版(15000円)を宣伝するトークなのかなとも思っていた。私は別に開高のファンではないので、そのようなものに万札を出すつもりはないが、もしものすごくいいセールスをしたら考えようと、心の準備はしていた。だが、対談中、その再現版のことは一度も出ずじまい。一応、売店で販売はしていたし、見本も置いてあったけどね。
・角田さんの最後の一言は、「若い世代の書き手が、開高健を好きといってくれないと、私がずっとこういうイベントに出続けることになってしまう」というものだった。いつも思うのだが、角田さんはこういう面白いことでも、面白そうにしゃべらない。口調が普段のまま。それは大きな魅力なのだが、逆に角田さんが面白そうに話すほど面白いことって、どんなものなんだろうなと思ったりもする。
・ロビーにいたおばちゃんたちが、エレベーターのほうに消えていく重松清を見て「サインとかしないで、すぐ帰っちゃうんだね」といっていた。

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下のふたつは、イベントを聞いた方のblog。
最前列で見た重松清は「手がとてもきれい」か。へえ。
http://whenevermorningcomes.blog97.fc2.com/blog-entry-2.html
トークの内容は、(開高健の)「ファンを十分に満足させるものでした」
http://ameblo.jp/kashinamu/entry-10192165392.html

『涙の理由』

流星通信によると、茂木さんとの対談集は2/9に発売予定だそう。