上記の『文藝春秋』8月号

他にも面白い記事が二つほど。まずは、金原ひとみのエッセイ。酒と博打の日々から自分は何を得たのかを、彼女らしく半分冗談、半分本気に書き綴っている。こうして作家になり、博打は生活をかけたものではなくなったけれども、やっぱり時間が空くと博打をしている自分がいるみたいな。
内容ももちろん、十分に楽しいけど、こうして彼女が文庫の解説やらエッセイやら、精力的に書き続けていることを評価したい。『蛇にピアス』も『アッシュベイビー』も読んでいない私だが、選考委員が彼女に授賞したことは、まだ半年しかたっていない今の時点でも、文句なしに成功ではないかと思う。ちなみにもう一人の方は、一作目も二作目も読んでいて、中編の魅力というものが旨く出た作品だなと感心しているのだが、堂々と「三作目は書いていません」というのはなんかね待ってる人からすると、残念だろうな。せめて「構想は浮かんでるけど、着手してません」ぐらいいってほしいものだ。