飛鳥涼著『インタビュー』(幻冬舎、1996/12)

例のブログ(のキャッシュ)が面白かったので購入してみた。
全13編からなるエッセイ集で、表題作の「インタビュー」が約100ページと半分を占めている。
前半は幼き日の回想が主。自伝のように時間が流れるのではなく、エピソードが書き連ねてある。どれも面白いのだが、友人がヤクザになる話は目を引く。
続いて、デビューしてからの出来事がみっつほどあり表題作。ASKAは雑誌『Views』(講談社)の記事をめぐってトラブルを抱える。その経緯がセルフインタビューとして綴られている。
雑誌を売るために、著名人を都合よく料理する。いまもむかしもよくある厄介だが、本人が振り返るそれは興味深い。主張ではなく経緯が並べてあるから読み物として楽しめる。
騒動はMTVアンプラグドライブを挟んだ時期に起こった。件のブログによれば、ASKAはライブに訪れたロンドンでクスリの味を知ったようである。
その意味では、ブログの前章みたいに読むのもありかなと。最後、お口直しのようにいい話で締めくくられていて、満足度は抜群。