久々に発掘

9-10年前は、重松清の本をそろえるのが趣味だった。といっても、本名で書いてるもの以外。たとえば「田村章」名義のドラマのノベライズとか。
これの面白いところは、「田村章」と検索してヒットする本ならすぐわかる。そうではなくて、検索にはひっかからないけれど、ちらっと名前が載ってるケースがある(装丁家みたいに)。そういうのを宝探しのように見つけるのが面白かった。
どうやって見当をつけるか。一例としては「この脚本家のドラマでノベライズをやってたから、別作品も担当してるんじゃないか」とかね。それで、図書館で確かめて一喜一憂するという……。

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きょうは久しぶりにその発掘作業をした。めでたく成功となった。
手がかりは『週刊アスキー』2004年9/14号での重松の発言。
「ある出版社から香港返還に合わせて本を出そうという話でね。で、香港在住のイギリス人ジャーナリストで、本人は日本語が堪能なつもりだけども、よく読むとヘンな日本語だよって感じで書いてくれと複雑なオファーがあって」
これをもとに検索。最初は「香港返還」+「ジャーナリスト」としてみたが、うまくいかない。
そこで、国会図書館サーチで「香港」をキーワードに設定。1997年に出た本をすべて調べた。全189件ヒットするが、ずらーっと見ていっても、外国人著者で学問系統じゃない本は、『香港魂』という1冊しかなかった。しかも版元の扶桑社は、重松とつながりがある。
図書館で確認してみると、編集協力として本名でクレジットされていた。
以上、特にオチはない。ただ、16年もまえの本を置いといてくれる図書館には感謝したい。