湯浅誠著『貧困襲来』(山吹書店、2007/7)
同著者の『反貧困』(岩波新書)が「論」なら、こちらは「具体例」。合わせて読む*1意味は十分にある。
本書でとりわけ面白いなと思ったのが、生活保護がはねられるロジック(p.103-)。申請にいくと、何かしら理由をつけて追い返される。いったいなぜなのか。福祉事務所の相談員としたら、生活保護を出しても、別に自分が損をするわけではないのに。
そんな疑問に対し著者は、ちゃんと対応しても報われない、まったく違う部署からくることもあり困難に不慣れ、職員不足・事務量の増大などを原因としてあげている。
なるほどねえ。同じような状況は、ほかにもありそうだ。
2008年8月1日初版第4刷発行。