PLAYBOY日本版』2008年1月号

PLAYBOY INTERVIEW」に重松清(全7ページ、インタビュー:足立倫行)。個々の作品ではなく、重松清という人物についてのインタビューは、本当に久々な気がする。出来のほうも非常にすばらしいもので、期待をまったく裏切らない。
まずリード文からしていい。なぜ重松清がすごいのか。それを同業者にしかわからない視点から綴っている。話を進め方もスムーズだ。ちゃんと聞き手の頭のなかに重松清のバックグラウンドが入ってるから、まったく無駄がない。
以下、特に興味をもった点ふたつ。まず、奥様との結婚についての話題。結婚以前、重松清はもてなかったが、女性には厳しい基準があった。そのひとつが「タバコを吸う女性はパス」なのだそう。自分は吸うのに、なんて理不尽なとも思うけど、女性の場合は妊娠とかあったりするしね。
もうひとつ。莫大な収入があったはずだが、いったい何に使ったのかという問い。その答えは「家」という当たり障りのないもの。しかし、この問いを思いつくのが、やはり同業者でこそという気がする。本をばんばん出す作家が儲けているのは、一般人にもなんとなくわかるけど、ライターの収入は想像がつかないからね。以前、勝谷誠彦が「『シリーズ人間』の原稿料は1回□万だから、それを毎週やってたころの重松さんは、月に4日徹夜するだけで、年に■万ですよ」と話すのを聞いて、その額のすさまじさに驚いた記憶がある。

『なぎさの媚薬1 海の見えるホテル』(小学館文庫)

『なぎさの媚薬 敦夫の青春 研介の青春』(小学館、2004/7)から、「敦夫の青春」のみを収録しての文庫化。1とつけているからには2が出るだろうけど、その2は何になるのか。「研介の青春」を2にするとなれば、文庫はシリーズで8冊になってしまう。それはちょっと多いのではないかと。