えこひいき

帰りの電車。5歳ぐらいの女の子が、隣にボストンバッグを置いていた。要するに2席を占領しているわけだが、いくらなんでも、この荷物が女の子のものとは思えない。
しばらくして、お母さんがきた。男の子(3歳ほど)をつれて、トイレへいっていたようだ。まあ、まだ小さいから、ひとりでは無理だったということだろう。
次に女の子もトイレへ。お母さんは「3個(両)ぐらい向こう。高校生のお兄さんたちが座ってるから」と、場所を教える。
で、女の子。いったんはそちらのほうへいくのだが、すぐに戻ってきた。またお母さんに場所を聞く。さっきと同じことを答えるお母さん。
この後、あと2回、トイレへいこうとしては戻ってきて、が繰り返される。
ここからは私の想像だが、別に女の子は、トイレの場所がわかんないわけじゃない。お母さんを弟に取られちゃって、さみしいのだろう。場所を何度も聞くのは、直接そうはいわないけど、お母さんについてきてほしいから。
一方、お母さんとしては、男の子をひとりぼっちにするのは怖い。だから、ついていってあげられない、と。
**************************************************
下の子どもに対するえこひいきはよくいわれる。
上に書いた出来事のように、お母さんとしてはしょうがない、そうせざるをえないのかもしれない。それでも、上の子からしてみれば、えこひいき以外の何ものでもないわけだ。
世の親たちは、接しかたがえこひいきになっていないか、もっと自覚的になるべきではなかろうか。そんなことを思う、きょうの夕方。