トークセッション

新宿のジュンク堂書店にて、18:00過ぎから。先に重松さんが入ってきて、『酒とつまみ』編集長の大竹聡さんを紹介する。本日のトークには「『ホッピーマラソン』刊行記念 『酒とつまみ』のこれからについて大いに語る」というタイトルがついている。
まずは、「これから」ではなく「これまで」の話。創刊の経緯、なぜ酒なのか、資金繰り、書店への営業など。大竹さんの話を聞いて、重松さんは基本ダメだし。それで、たまにこういう雑誌をやる人がいることは重要なんだと誉めてみたり。
途中から、それまでは後ろで立って見ていた『酒とつまみ』スタッフのなべさんが登場。彼から見た大竹さん、そして『酒とつまみ』について話す。
再び話は大竹さんに戻り、『中央線で行く東京横断ホッピーマラソン』の刊行、そして「これから」。1400円という値段を「高いとよくいわれる」そう。これには私も同意なのだが、重松さんは「そうか?」といわれて、何ページあるのか確認した。だけど、高いと思わせるのはむしろ、ムックのような本の形態なんだよなあ。
「これから」について、大竹さんから明かされる厳しそうな資金繰り。初版3000部のこの本、重松さんが「ここにいるのが30人だから、1人100冊買ってください」。そうしないと『酒とつまみ』が読めなくなると、まあ明るく悲観をしつつ、19:30ごろ終了。
まあ、楽しい話だったけど、1000円払ってまで聞いてよかったとは思わないな。でも、『酒とつまみ』の将来に寄付したことになるのか。取り分はどうなってるんだろう。
その後、大竹さんのサインをもらって、会場を後にする。新宿店でのトークセッションは初めてだけど、池袋と違い、余裕を持った座席間隔になっていて快適。だけど、金を払わなくても、聞けてしまうという問題があるんだよな、場所的に。そういうことを防ぐため、音量も低めになっていて、耳が悪い私にはつらかった。

『愛妻日記』

渋谷のユーロスペース(1)にて、21:00から2本立て。R-18。なぜだか知らないけど、けっこう入ってた。6、70人?
冒頭で、いきなり原作にはないシーン*1。夫婦には子どもができない。夫は妻に向かって、行為の後、精子をこぼさないようにいう。そして、誰かから聞いてきた話として、逆立ちすると妊娠しやすいなどといって、妻を逆立ちさせる。その足を支える夫。ふらふら揺れて危なそうなのに思わず笑い(でも、いま思えば、そのふらふら具合には、夫婦関係の危うさがこめられていたのかも)。さらに笑ったのは、妻が「いつまでこうしていればいいの?」と聞くのに対して、「そこまでは聞かなかった」と答える夫。
その後は、わりと原作に忠実。違っていたのは、原作だと手錠を夫がビンゴで当てたとなっているが、ここでは妻が買ってきたとしている点ぐらいか。
エンディングで流れる早川義夫「君のために」が、なんとなく哀愁を誘う。

『饗宴』

昔とは違う妻の体を見ると、なえてしまう夫。
原作では、夫妻がドンキのアダルトグッズ売り場に足を踏み入れることに説明がなかった。しかし、今作ではその前に公園で奥さんたち3人が会話をしているシーンがはさまれる。ほかのふたりがアダルトグッズの話題で盛り上がるのに対し、まったく無知でついていけない妻(この表情がよかった)。それでバイブレータに興味を持つ、という流れがあるから、映画のほうが親切だ。
終盤、夫妻が大量に買ってきたグッズを用いて、同じベッドのなかで、別々に自慰にふける。でも、頭のなかでは、互いに結びついている。そうしてあげるあえぎ声(原作p.174参照)に、場内から笑いがこぼれる。
あと、これは原作にないまったくのオリジナルなのだが、夫はレスリング部の顧問をやっている。しかも、わざわざレスリング指導だれそれというクレジットが入るほどの丁寧な作り。本編と何の関係もないのに、この細部へのこだわりようはすばらしいね、遊びのセンスが。
今週は以上の2本で、今度は「童心」と「ホワイトルーム」。今週のクオリティが維持されているならば、文句なしにおすすめできる。帰り際に女性ふたりが面白かったよねえ、なんて会話をしていたし。

*1:どうでもいいけど、帰ってきて原作を見直したからわかったこと。もともとストーリーを頭に入れて観にいったわけではない。