「桐蔭学園の真実」第2回

桐蔭はなぜ「勉強ばっかり」「過密教育」などといった印象を与えるのか

きのうも書いたけど、桐蔭卒業後、浪人して、代ゼミの横浜校に通った。桐蔭時代同様、毎日勉強に明け暮れたにもかかわらず、勉強ばかりだった印象はない。桐蔭は勉強するように押しつけるけど、代ゼミはそんなことこれっぽちもしないからね。
桐蔭では、週ごとに1枚のカードが配られる。そこには、毎日、「何時から何時までこの科目を学習した」「この日は、この科目を計○時間勉強した」ということを、記入するようになっている。しかも、カードは回収されて、教員のチェックが入り、クラスごとの1日の平均学習時間、なんてものが出てくる。
この学習時間カードは代々受け継がれているためか、学校がいままでの統計を持っている。だから、「学習時間がこれぐらいのやつは、このレベルの大学に受かっている」とか、「今週は、学年全体で、1日3時間勉強するのを目標にしよう」ということがいわれる。
つまり桐蔭式の勉強は、質ではなく量なのである。テスト前でなくとも、勉強するように仕向けられるのである。だから、年がら年中勉強ばかりなのだ。
世間の高校生が、たまの休み、友だちと海にいったり、映画を観にいったりしているときに、桐蔭生は勉強。こんな仕打ちに、あなたは耐えられるだろうか。
ほかの進学校はどうなんだろうな。少なくとも、生徒の学習時間を教師がチェックする、というのは、かなり異様だなことと思う。

男女併学制を採る本当の理由

Q男女併学って男女共学とどこが違うの?
A桐蔭学園では、(中略)男子の良さ、女子の良さを共に生かす日本で唯一の男女併学制を採用しています。
桐蔭の女子生徒は、中学1年から高校2年まで、学園内の男子生徒とは別の校舎で学ぶ男女別学とし、高校3年になるとホームルームは女子だけのクラスですが、授業は進学棟という校舎に移り、男子と共に学習していきます。桐蔭の女子生徒は全員4年制大学進学をめざしています。高校2年までしっかり生活指導を受けた女子生徒は、男子生徒と文字通り切磋琢磨しながら、志望大学めざして努力していくわけです。
http://www.toin.ac.jp/go/frame/f17.htmlより抜粋、全角数字は半角にあらためた)

要するに、男女併学とは、高校2年までは、男女は別の建物で生活、高3になったら、授業だけはいっしょに受ける、ということ。
なぜこんなことをするのか。上記URLには「男子生徒と文字通り切磋琢磨しながら、志望大学めざして努力していく」とある。
「でも男女いっしょになったら、異性に夢中で、勉強に身が入らないのでは」という疑問があるだろう。当然のことだ。実際、女の子に夢中になる男はいる。私の担任は「うちの学校は、男女恋愛禁止だから、付き合うならほかの学校の女にしろ」なんていってたけど。
話がそれた。なぜ3年になったら、男女いっしょにするのか。これは、男子部に固まっている実力ある教員の授業を女子にも受けさせて、学力向上をはかるためだ。
これには説明が必要だろう。まず、実力ある教員とは、教えるのがうまい教員のこと。そして、なぜそうした教員が男子部に固まるのかということだが、これは単純。8とか9クラスしかない女子部に優秀な教員を回すよりも、22クラスある男子部に配置したほうが、はるかに効率がいいから。
つまり、ぎりぎりまで男女の接点を持たせず、勉強に励まさせるものの、3年になると、受験があるので、学力をつけさせることを優先する、ということ。これが男女併学制の真意。

教員配置

桐蔭学園は高校入学時のクラスのまま、進級していく。クラス替えもなければ、担任の交代も、特別な場合を除き、ない。つまり、教員は3年周期で回ることになる(34期生を担当したら、次は37期生というように)。
各クラスには、担任のほかに、副担任がいて、週に1日とか2日、担任のかわりに、ホームルームをやる。担任に話しにくいことは、副担任へ、という学校側の配慮なのだろうか。タイプの違う担任・副担任だと意味があるけど、同じような人が2人いてもなあ、という感じか。
進路については、2年でおおまかな志望系統による分類がなされ、3年になると、国立理系、国立文系、私立文系、私立理系に分かれて授業を受けることになる。
学校としては国立合格者を多くしたいので、そちらの方面に優秀な教員を多く配置する。仕方ないことだ。私が経営者だとしても、そうするだろう。
私立志望は予備校に通いなさいっていうことだ。予備校の場合、私立の志望者のほうが多く、収入源になるから、そちらにも実力ある講師がたくさんいる。
なんか、きのうの最後、「次回は主に生活面について」とか書いてあるけど、全然生活のことになってないな。次回こそは、生活面について、のはず。