東大将棋部著『角交換振り穴スペシャル』(マイコミ将棋BOOKS、2008/3)

レグスペの定跡書。基本的には後手番の戦法で、▲7六歩△3四歩▲2六歩と相手が居飛車を明示したところで角交換。あとは四間に振って穴熊へ、というもの。
これを知ったのは、ニコ動の「将棋ウォーズ実況プレイ」。その単純さゆえに、とりこになった。
しかし相手のレベルがあがれば、見よう見まねでは勝てなくなる。それで本書の購入に至った次第。
構成はまず、序章で戦法の特長が説明される。その後、相手の作戦別対策に移る。居飛車穴熊・銀冠・矢倉が各1章ずつ。
私レベルだと、実戦で多く遭遇するのは矢倉。あとは、囲わず1-3筋の位を取りにくる人もけっこういる。そして銀冠がほどほど。居飛車穴熊はめったにいない。
感想としては、攻める人には向かない戦法だとわかった。悪くせずに待って、スキができれば攻撃、できなければ千日手。後手だからそれでいいという割り切りが必要になる。
あとは形勢判断が難しい。レグスペ優勢と書かれていても、マイボナだと居飛車よしの局面が多々あった。要するに、その局面を読者個人が指しやすいと感じるかどうかなのだろう。
構成に注文をつけると、章の最後に復習問題をつけてほしかった。まとめでポイントは抽出されているが、さっと思い出すにはやはり問題がいい。
2011年2月2日初版第3刷発行。
(p.196)「参考2図は▲8八歩まで」が正しい。局面図で太字になっているのも「飛」ではなく「歩」。

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【現在の棋力】将棋倶楽部24:11級(最高R486、現R486)、将棋ウォーズ:【10分】1級【3分】1級【10秒】1級