演出

婦人公論』のバックナンバーを処分すべく再読。こういう作業は読んじゃうと進まない。わかりつつやっぱり読む。
2001年9/7号「読者ノンフィクション傑作選」に、「人気クイズ番組予選の腹立たしき舞台裏」という作品があった。
内容は忘れていたが、面白かった記憶はあるので再読。番組名は伏せているが、賞金1000万円とあるので「クイズミリオネア」だろう。
出演までの流れはこんな感じらしい。
・応募者から抽選で選ばれた人に電話がかかってくる。
・その電話口で10問程度の問題に答える。
・結果によって、制作会社での最終オーディション(筆記・面接)に呼ばれる。交通費は自腹。
ノンフィクションの筆者は、このオーディションへ進んだのだが、スタッフの態度がエラそうだったと憤慨する。
「今日の参加者は元気がない。こんなことでは合格しないよ」
「1000万円の使い道はチマチマした夢ではダメ。旅行や留学なんていうのもありきたりでダメ、借金の返済、ローンの返済も聞き飽きたから、もっと独創的で夢のあることを書け」
参加者のひとりが記入した用紙をスタッフへ渡した。親戚に大臣がいるという。それを見たスタッフは「親戚でも何でも、アピールできるものは何でも書いてよ」とハッパをかける。「リストラされている人も、ちゃんと書いてよ。前の職業もどんな職種だったのかもね。ただの無職じゃダメだよ」
筆者は「何でもする覚悟はあるんだろうね」と言われているみたいだったと振り返る。

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読後、グーグルで「ミリオネア」「オーディション」と検索してみた。同様に不快に思ってる人がいれば、何か書いているかもしれない。
結論からいうと、スタッフの態度に不満を呈すものはなかった。それでもテレビ的演出にはやはり疑問を感じるようだ。
まずひとつめの体験談。

1000万円の使い道はバラバラではダメだと言われました。例えば「世界一周旅行行って、土地と家買って、あとは貯金・・・。」みたいなの。これはダメなんですねー。やっぱり一貫性があってテレビ映えする動機じゃないと、なかなか採用されないみたいです。そんなこと案内の時点で聞いてなかったので若干悩んでしまいました
http://www5b.biglobe.ne.jp/~abolish/taikenki/millionaire/millionaireframe.html

ふたつめ。この方は出演者。1000万円の使い道を修正させられたほか、オンエアについてこんな記述がある。

私がテレフォンを使ったのは75万円の問題だったのに、テレビでは100万円になってます。あまりに早くにテレフォンを使ったので、編集されてしまったようでした。
http://www2.ocn.ne.jp/~sizen/tv1.htm

最後。この方も出演者。

オープニングの紹介ポーズの練習をしました(練習というよりもポーズやセリフを指定され、演出されました)。テレビを見ているとき、あのシ−ンだけやけにハイテンションだなあと感じていたのですが、こんな裏が隠されていたとは・・・。
http://fukuchi.info/millionaire/index.html