渡辺久信著『寛容力 〜怒らないから選手は伸びる〜』(講談社、2008/11)

内容は、選手とのコミュニケーションの取り方、現役時代に指導者から学んだこと、台湾での選手兼コーチ時代など。
新情報はふたつ。まず、選手個人のカルテを作成していたこと(p.131-)。これにより、いまどういう状態にあるのかを、コーチ間で共有し、「目の届かない選手」をなくした。
なるほど、いい試みだ。
もうひとつは、西武第二球場のホーム(すなわちライオンズ側)を、1塁から3塁ベンチに変更した理由(p.157)。構造上、3塁側だと観客が選手を見下ろす形になる。1軍の球場と同じ心理状態を、2軍の選手にも味わわせたいという意図があったそう。
この効果は、選手になってみないことにはわからない。しかし、いろいろ試してみるのは、頭を使っている証拠だ。