『加油(ジャアヨウ)……! 五輪の街から』(朝日新書、2008/10)
五輪開催中の北京を旅した記録。朝日新聞や『週刊朝日』に掲載されたものがベースになっている。
観戦記とは違う。もちろん競技も見てはいるが、それ以上に五輪の周辺にいる人へとスポットを当てているのが本書の特徴。
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この本を私は、重松清がライターとして書いた1冊だなと思った。というのは、取り上げられているエピソードのなかには、ネタとして弱いんじゃないかと思うものがいくつもあるからだ。これが作家だったら、もっと大きな題材を探し求めているだろう。しかし、ライターは違う。弱いネタでもきちんと物語に仕立てなければいけないのだ。そういう文章芸が、随所に感じられた。