義家弘介著『ヤンキー先生のたからもの 天使たちの詩』(光文社)

主として、前2作以降に、北星余市高校で起こったエピソードが書かれている。『不良少年の夢』(光文社、副題は長いので省略)に続いて、義家先生が読者に語りかけるような書き方がされている。
これまで義家先生の本を読んできて、先生が生徒と真正面から向き合う姿には、もちろん感心した。だけど、私はそれ以上に、文章のほうに目がいく。学校の先生という職業ゆえに、本を書くような時間はなく、おそらくはゴーストライターが話をまとめたものだと思う。この文章が本当にうまい。優秀なライターなんだろうな。義家先生が書いている可能性も、無きにしも非ずだけど、だとしたらもっとすごいよな。『ヤンキー母校に生きる』(文藝春秋)と光文社の2冊と、文体を書き分けてるわけだからね。