日曜日にイベント
青山ブックセンターで、糸井重里と重松清のイベントが行われる。
http://www.aoyamabc.co.jp/events.html#ao20041017
子どものこと話そう
更新された。子育てにおける象徴的な場面を、次回以降取り上げていくようだ。
藤原和博著『公立校の逆襲 いい学校をつくる!』(朝日新聞社)
重松清が帯推薦文。朝日新聞東京版と週刊朝日に連載された文章をまとめたもの。PTAのあり方、学力低下問題、総合学習、子どもが身に付けるべき能力などについて、彼が校長を務める杉並区立和田中学校での出来事を振り返りながら、意見を述べている。まれに疑問に思うところもあったが、多くの部分をうんうん、そうだよなと納得しながら読んだ。
公立中学校の校長が言いたいが決して表に出さない事実も、あえて指摘しておこう。それは、私立の中高一貫校がいったん試験で選んでおきながら、途中で放りだす生徒を陰で支えているのも公立校だということ。(234-235P)
ここは特に、なるほどねと思った。
巻末には和田中でこれまでに改善してきたこと、よのなか科(総合学習)の実践例が日記のように書かれている。
いったいどんな装丁なんだろうなと思って検索してみたら、杉並区立和田中学校創立55周年記念という金文字が表紙に入ったものだとか(和田中の石上教頭の今週の一言より)。この本を読んで、和田中が実践してきたことを見てくると、もっとすごい装丁だと思った。例えば表紙の体育館が校舎になってるとか。ちなみに日記の冒頭に講演会はこの本の出版記念だった。
藤原和博と107人の仲間たち編著『人生のつくり方』(サンマーク出版)
藤原さんと交流のある107人が、それぞれ2Pで今の職に就くまでの人生を振り返っている。そのひとりとして重松清が登場している。無名の人が中心だが、有名どころだと時任三郎、小平桂子アネット、有森裕子、松永真理、南場智子、藤臣柊子、乾貴美子、鈴木成一など。
全体通しての感想は特にないが、藤臣の年収が2000万円というのにはビックリした。『13歳のハローワーク』の具体化版みたいな感じでも読める。刊行は『人生のつくり方』が先だけど。
親野智可等著『「親力」で決まる! 子供を伸ばすために親にできること』(宝島社)
巻末に著者と重松清の対談収録。まぐまぐの人気無料メールマガジン発行者である、公立小学校の先生による子育て指南書。親力1「トイレに地図を張ると地理が得意になる」というようなの41まであり、それについてやり方が説明されている。
説明がうさんくさいものがいくつかあったが、それ以上に、提案が具体的なのが良い。これはちょっとやるのが難しいなとか、これって抽象的な言い方だけど具体的にはどうすればいいの、なんていうのは一切なし。小学生の子どもを持つ親にぜひ読んでほしい。巻末の対談はそれだけ見るとつまらないが、本書の内容を復習する、噛み砕くという意味ではいいものだと思う。
余談だが、親野智可等(おやのちから)というのはもちろんペンネーム。はっきり言ってダサいことこの上ない。
中村淳著『街のクジラ It may be a sign to a wonderful trip』(朱鳥社)
重松清帯推薦文。著者は「風の詩」で、1985年に第12回野性時代文学新人賞受賞。当時、重松清が角川書店にいて、この作品を気に入ったことが今回推薦文を寄せるきっかけとなったようだ。著者のプロフィールにはこんなことが書いてある。
1999年『風の詩』を刊行。収録した「風くらぶ」が県立高校入試や全国模試に採用される。試しに本人は軽い気持ちで鉛筆を手にしたらしいが、その結果にふれることは関係者の間ではなぜかタブーになっている。
私はこれを見て、「うわっ、つまらない」「この感覚にはついていけない」と思った。これをくすっと笑える人だけが、ストーリーを楽しむことができるんじゃないかな。3つのミッションからなる中編集。釣りにやハイキングに行ったり、川でカヌーに乗ったりしながら、会社勤めの毎日に背を向けて、「自然に帰ろう」「他人に支配されない人生を送ろう」みたいな内容。やりたいことはよくわかるが、大味な小説に慣れてしまったからだろうか、私には味気ないものに思えた。
関連URLhttp://www.shuchousha.co.jp/diary/