映画『泣くな赤鬼』
すごく満足な作品だった。
残り少ない命はいかにも涙を誘う設定なんだけど、その点が原作からさらに洗練されている。演技は皆うますぎるぐらいだし、本作で追加されたシーンがことごとく効果的だった。
でもただの泣ける映画かというとそんなことはなくて、野球や先生とのかかわりがその後の人生に何を残したかをずっと描いていたように思う。
特に印象に残ったのは満身創痍のゴルゴへノックをするシーン。病人を気づかってやさしく打ったりはしない。厳しいところ厳しいところを突いていき、ようやくゴルゴが飛びついて止める。これを見ると、ノックはコミュニケーションだなあと感じずにはいられなかった。
109シネマズ湘南(シアター8)にて。
パンフレットについてメモしておくと、映画の公式サイトにも出ていた寄稿「先生だから」が1ページ。過去に映画化された作品のリストとプロフィールも同じく1ページ。あとは現場訪問した際の写真が載っている。
文庫解説
今月1日発行の新潮文庫『介護殺人』で解説を書いている。帯文にも使われている。