「ザ・ノンフィクション ハナエゆれる ある家族のゆくえ」

日本人の母、韓国人の父を持ち、自らは重国籍の韓英恵。22歳をまえにして、国籍の選択を迫られる。本作はその前後の英恵、同じ境遇にある弟、さらに父母の様子を映し出す。

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この方、すごく好き。知ったきっかけは映画『疾走』(2005年)。好意をもったのはその後で、東京へ出てこず日大三島に通っているのがよかった。日大三島といえば岩崎恭子がOGで、私のなかではとてつもなくブランド価値のある高校なのだ。
話を本作に戻すと、演技でない素のしゃべりを見るのはたぶん初めて。ポンポン出てくる言葉の飾りのなさにますます好感をもった。
最後に韓国籍を選ぶ彼女は「自分のデメリットをチャンスにしてきた。これからもそうしていきたい」と語った。本当に強い人である。
一方の弟。目標もなく、生きることに迷っている。彼もまた選択を控えるが、「どうするの?」という英恵の質問に「わからない」と答えるだけ。そんな弟に英恵は「仕方ない。そういうふうに生まれちゃったんだから」と言い放つ。
運命として受け入れた英恵と、それができない弟。私も耳が悪く生まれたのを受け入れられない身なので、弟の弱さが自分の写しに思えた。同じように叱られてる気分になった。
2014年2/8、BSフジにて放送(フジテレビ、2013年6月)。