原作は人生で一二を争うぐらい影響を受けた本。映画化を知ったときはいろいろびっくりした。
ひとつはノンフィクションの原作って珍しいなということ。皆無とはいわないが、小説や漫画に比べればだいぶ少ない。
あとは本が出てからかなり経っている。単行本は15年前だ。まさかいまになってとはね……。
鑑賞前にノベライズ本の最後だけ目を通した。原作者が映画について書いているのだが、最低限のものは守られているようだなと。
結論からいうと、すごくよかった。主人公・鹿野の姿はいくぶんマイルドになっているが、人間はみな違うものだし、これはこれで面白いなと思えた。
本作のポイントは、美咲ちゃん、田中くんというボランティアを前面に出したことだろう。それによって創作の幅が広がったし、鹿野を取り巻く人の物語でもあることが強調された。
いまの自分を形成している作品が映画で見られて、本当に心あたたまる年末。
109シネマズ湘南（シアター4）にて。
