白石まみ著『ロッカーズ』(竹書房文庫)

陣内孝則原案、斉藤ひろし脚本の同名映画のノベライズ。音楽なしのノベライズでは映画の魅力が半減していて残念。けど、あとがきがわりに陣内さんが書いている「谷信雄という男がいたことを残せる方法――それが映画を撮るということ」は、とても参考になった。

谷信雄という男がいたことを残せる方法がないかを考えていて、映画を撮ろう!と決めたんです。(中略)
それがこの映画を作る発端になりましたが、それから七年、あの時はこんなに時間がかかるとは思いもしませんでした。映画にするならまず原作をという友人のアドバイスで、小説『アメイジング・グレース』を書いて、それを基に斉藤ひろしさんに脚本を書いてもらい、映画化企画は動き出しました。(p.183)

しかし、いろいろな障害があって、スムーズにはいかなかったという。
本編よりもむしろ、このあとがきに満足な1冊であった。