望月正行・景山充人・桑門昌太郎著、日本バックギャモン協会編『改訂新版バックギャモン・ブック』(河出書房新社、2017/4)

旧版との違い

10ページほど増えている。一番大きな変化は「AIとバックギャモン」というセクション(全6ページ)が追加されたこと。あとは11本あるコラムの差し替え・リニューアル。旧版を持っている人が、買い直す必要はない。値段も200円アップしているし……。
このエントリでは、上記以外の変更点をまとめてみた。比較したのは旧版の4刷(2009年5月10日発行)。

内容変更

(p.32右)チェスクロックの説明が大幅にアップデート。
(p.59左)4のゾロ目の項目で、相手を4のスプリットに限定した説明へと変更。
(p.171右)図5を差し替えて、説明する内容を変更。
(p.197)スコア0-2で「相手からダブルされたとき」の説明内容を変更。「ややパスが多い」だったのが「通常と同様に考えていい」としている。
(p.199左)「図16において、黒はたとえ不利であろうとも、構わず4倍のリダブルをすべきです」という一文を追加。またダブルの積極性を示したゲージを変更。
(p.200)マッチ勝率表の出典を変更。それにともない、表と本文の数値を修正。
(p.212-213)トッププレーヤーの熱戦譜としているゲームを、ふたつとも差し替え。
(p.214-215)「各大会の歴代優勝者」を1ページから2ページにしたうえで、内容を追加・アップデート。
(p.220-222)日本バックギャモン協会の紹介やおすすめのウェブサイト・書籍・例会の情報などをアップデート。

誤植の修正・表現の変更など

(p.20左)バックギャモン勝ちの説明に「あるいはバー上」と追記(日本バックギャモン協会掲示板で指摘されていたもの)。
(p.55左)アクションプレーのダブルヒット例から5・1が削除。
(p.84左)「ヒットすれば確実に勝つ」→「ヒットすればまず勝つ」
(p.126左)見出しの「ベアイン」に「駒をインナーボードに入れること」と追記
(p.131左)「またブロットを残す目」に5・5と6・6が追加。
(p.133左)冒頭の説明から「直接キューブアクションがからんできます」という部分が削除。
(p.133左)すでに上がった枚数別の勝率表を、数値修正。
(p.133左)「これには秘訣があります」→「これには目安があります」
(p.138右)「ここでも合言葉は『迷ったらテイク』です」という一行を削除。
(p.140左)「白の勝率も3割ほどある」→「白の勝率は約30%ほどある」
(p.146左)「6ポイント、8ポイントのビルダー」に「スペアマン」とかっこで追記
(p.148左)5ポイントを作れる目に「4・2、4・4、2・2」を追記
(p.165右)「・キューブを持っている→白がパス」→「・キューブを持っている→10割勝つ」
(p.169左)87ピップという誤植を86ピップに修正。
(p.174右)「黒のヒットチャンスは減り、白のアンカーを確保できる可能性が増えました」→「今度は黒が4ポイントをヒットしてきたとき、白はリターンヒットできる可能性があります」
(p.175左)本文中、図2・図3・図4の表記がおかしかったところを修正。
(p.187左)「ミッドポイントと8ポイント3枚は」→「ミッドポイント2枚と8ポイント3枚は」
(p.195左)5ポイントマッチの0-0の説明から「ギャモン勝ちがないので」という部分を削除。
(p.195右)「ギャモン勝ちがないとき」の説明から「ただし、厳密には相手のテイク/パスが変化します」という部分を削除。
(p.196左)図をはさんでいた1行の場所を修正(日本バックギャモン協会掲示板で指摘されていたもの)。
(p.201右)プレー場所の例から「Yahoo!」を削除。「BackgammonAce」と「playOK」を追加。
(p.202左)同上。
(p.202右)「チャンピオンシップ、といった感じです」→「チャンピオンシップなどです」
(p.203左&右)採点評価のソフトを「Snowie」から「eXtreme Gammon」に変更。
(p.203左)優秀なソフトの例を「Snowie」「Jellyfish」から「eXtreme Gammon」「GNU Backgammon」に変更。
(p.203左)ゲームの振り返りができる場所の例として「BackgammonAce」と「playOK」を追加。
(p.216右)オートマチックダブルの説明にポイントマッチの例を追記
(p.217左)ジョーカーの説明に対義語としてアンチジョーカーを追記
(p.218右)フリーロールの説明中に句点を追加。
(p.218右)プレイアブルシックスの説明を修正。

改訂新版にある誤植

(p.146左)末尾に「ブロット」が「プロット」になっている箇所がある。
(p.187左)「ピップ」が「ビップ」になっている箇所がふたつある。
(p.223)参考文献中『賭博3』とすべきところが『賭博2』になっている。
上記みっつは、旧版だと正しく表記されていた。ところがその周辺に修正を入れたため、誤ったオートコレクトが機能したか。
(p.216-217)ギャモン勝ちの説明が「相手が1枚も上がりにしないうちに、自分の駒を全部上げること 2倍の点数を獲得する」となっている。「こと」のうしろに句点がほしい。

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以下、日本バックギャモン協会掲示板で指摘されているもの。
http://www.backgammon.gr.jp/forum/viewtopic.php?t=4218
(p.116右)上からふたつめの図、矢印の出どころが12ポイントではなく、11ポイントになってしまっている。
(p.117左)フォーストムーブとあるが、19/20も考えられるから表現に工夫がほしい。
(p.174左&右)黒5・5は、「5/1(2)*」ではなく「6/1*(2)」。