大崎善生著『聖の青春』(Kindle版、2015/6)

2002年に講談社文庫で出たものが、このたび角川文庫からも刊行*1。ちなみにKindle版は両方ともある。ざっと本屋で見た感じ内容は同じ。どちらも父親・村山伸一による「聖のこと」が最後にあり、それ以外の解説はついていない。

      • -

夭逝した将棋棋士村山聖(さとし)の伝記。いろんな読み方ができる。闘病の記録でもあるし、師弟愛やライバルとの物語でもある。
私としては、将棋界のあれやこれやを興味深く読んだ。圧力をかけ村山の奨励会入りを一年遅らせた灘九段、村山と殴り合いをした加藤昌彦*2。このふたりのエピソードは特に印象に残った。

*1:その間、講談社青い鳥文庫版も出ている。

*2:ニコ生の将棋放送では「ニセンザキ」としておなじみ。