中原誠監修『勝つ将棋・攻め方入門』(池田書店、1999/6*1)

購入の経緯から書くと、初心者ならまず棒銀は覚えると思う。入門書の後ろのほうに載ってるし。
覚えたので、もうすこし棒銀を勉強しようと考えた。しかし、『最強棒銀戦法』(飯塚)や『勝てる棒銀』(青野)は、立ち読みした感じだと難しそう。そこで見つけたのが本書だった。

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惹句は「勝つための手筋と急所の一手を9つの棒銀戦法を通じて学ぶおとなのための将棋戦法再入門書完成」
つまりタイトルにはないのだが、1冊まるまる棒銀の本である。9つの戦法ごとの進め方と、最後に確認テスト的な「次の一手」が11問収録されている。
レベル的には、棒銀を覚えて数十回指し、うっすらパターンがわかった人にいいと思う(自分がまさにそうなのだが)。たとえば、本書の戦法1は「相掛かりの棒銀」だが、相掛かりと聞いて状況が思い当たらない人にはやや難しいかもしれない。

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感想だが、まず端攻めがよくわかってなかったので勉強になった。あとは、いよいよ将棋が難しくなってくるなあと。というのは、大駒を1枚渡すものの、成りが作れたから優勢といったケースが頻発するから。それが本当に優勢なのか、私の棋力では判断がつかないところもあった。
本書の構成は読みやすかった。基本的に見開き(2ページ)に局面図が4つ載っている。
1:前ページまでの図(再掲)、2:そこから変化した図、3:さらに進めた図、4:枝分かれした場合の参考図、といった具合。
だから、頭のなかで進めなくても図を見ればだいたいわかる。しかし、後半になると10手以上進むところもあり、そうなると将棋盤やらKifu for Windowsが必要になってくる。私の場合は、全体で4つほど「こりゃ頭のなかでは無理だわ」の部分があった。将棋って難しい。

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余談。中原誠が監修だが、著者は書いてない。しかし、奥付の著作権表示に「C K.K. Ikeda Shoten」とある。このイニシャルK.K.が著者なのか。
なお、「勝つ将棋」シリーズはほかに「指し方入門」「詰めろ入門」「大駒の切り方」とある。池田書店のサイトで表示されるのは本書だけなので、これらはおそらく版を重ねていないのだろう。