戸辺誠著『石田流の基本【本組みと7七角型】』(浅川書房・最強将棋21、2012/2)

購入のきっかけから書くと、私は長いこと一間飛車をメイン戦法にしていた。先手番なら初手▲1六歩から▲1五歩▲1七飛▲1六飛とする。そこからはいろいろあるが、▲7六歩▲7五歩▲7六飛として石田流へ組み換えるのがねらいのひとつ。
しかしいざ組んでも、その先をどうすればいいかわからない。そこで石田流の本をいくつか立ち読みして本書を購入した次第。
感想としては、石田流のねらいというか、目をつけるべきところがわかった。もちろん相手の形はいろいろあるが、こんなときはこうしておけばいいというのが大ざっぱにつかめた。
ただ、出だしへの記述が少ないのは不満。本書を読んでから、▲7六歩▲7五歩も指すようになった。しかし相手が初手△8四歩とか、自分が後手番だった場合の言及がない。私としては頭がこんがらがってしまう。「本書では扱わない」とか、「石田流に組むのは難しい」とか書いてあればなあと思う。もっというと、『戸辺流振り飛車で攻め勝つ』に載っているようなフローチャートがあればよかった。
出だしの話を続けると、▲7六歩△3四歩▲7五歩に対して、本書は△6二銀か△4二玉が自然であり、両者は逆でもいいと書かれているだけ。しかし、『久保の石田流』のように候補をリストアップしてほしかった。やはり私レベルだと、いざ違うことやられたときに悩むのだ。
あと、本書で相手としているのは居飛車のみ。学んだことを対局で活かそうと思っても、▲7六歩△3四歩▲7五歩△4四歩と相振り飛車になることが多い。がんばって1冊読んでも、また別の本が必要なんだあと痛感。戦法への興味が薄れてきた。
それでも、石田流を受けるほうの自信がついたから、よしとするか。
【筆者の現在の棋力】将棋倶楽部24:14級(最高R348、現R226)、将棋ウォーズ:【10分】1級【3分】1級

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誤植
(p.155)見出しの番号がおかしい。前ページから続いてるのだから、「2・4」ではなく「3・14」とすべきところ。