「NONFIX あたらしい幸せのカタチ?〜私のシェアハウス300日記録〜」

28歳の女性スタッフが実際に暮らし、シェアハウスの実像や意味に迫るドキュメンタリー。
まず、情報面で印象に残ったことを。スタッフの住むシェアハウスは90人(?)という大所帯で、ときにシャワー渋滞が起こるそうだ。あとはトイレが男女共用。これ、個室がひとつだけで共用なら飲食店にもよくある。しかしそうではない。安宿によくある、トイレ手前に洗面所がくっついてるタイプで、個室はふたつ。男性が歯をみがく横を女性が通って個室へ入るところを映像はとらえた。女性からすると、男に見られながら入る心理的な負担はあると思う。そこを乗り越えられなければ、こういうところではやっていけないわけだ。

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番組は新たに入居してきたイッシーの姿を通じて、シェアハウスの意味を考える。彼はパーティーやイベントで周囲と話さず静かにしている。それでも、屋上で話す相手を募ったりするので、交流は持ちたいようだ。
住人はシェアハウスの人間関係についてこう話す。「(かかわりを)望んでないんですって言われたらそれまで」。「学校じゃないからね」
誘われるのを期待してはいけない。必要なら自分でつながりを求めるのが、シェアハウスでは絶対なのかなと思った。
もうひとつは、交流を持たない住人の言葉。「何かの刺激になってる出会いなのか、何かを麻痺させるための出会いなのか」
さみしさを埋めてくれるたくさんの存在。そこに身をまかせようとすれば、いくらでもそうしていられる。そして、そんな環境の特異さに意識がむかなくなる。この作品が切り取ったのは、シェアハウスの二面性なのかもしれない。
最後に住人へむけてホワイトボードで放送日を告知する。このカットが映像としてよかった。
語り安藤サクラ。9/6未明放送。
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/2012/622.html