『シリーズ野球彩色4 野球「音」物語』(ベースボール・マガジン社、2007/12)

トランペット、球場BGM、野球ゲームのサウンド等々、音についてのインタビュー・コラムをまとめたムック。なかなか情報量があり、読みでがあった。以下、感想&メモ。
巻頭は青木のインタビュー。ラミレスとガイエルに挟まれていた当時、捕球の掛け声は「I got it」(p.10-11)だったそう。音という観点だからこそ出てきた話だろう。
小宮山のインタビューも興味深い。メッツ在籍時のこと、現地には「いい音を出してピッチャーを乗せよう、という考え方はない」(p.25)としている。これについては、城島にも聞いてみたい。周囲の捕手はどうだったのか、そのなかで自分はどうしたのか。
小宮山の話からもうひとつ。練習中の音楽は騒音だと彼はいう。「スタンドには笛を吹く係員がいるのに、打撃練習のボールが飛んできてその笛が聞こえなかったらどうするんだ、と」(p.25)。正論すぎる。
川相の話も面白い。ノックをする際にどちらの手でトスをするか(p.38)とか、コーチは選手と違って立ち仕事なんだ(p.40)とか。いずれも音とは関係ないが、センシティブじゃなきゃ生きていけない業界なんだなと思った。
芝草の話(p.60-62)は、台湾野球の音が日本とどう違うかについて。これまた面白い。
巻末近く、野球選手のかかわった音源特集もいい。佐々木が小室プロデュースでCD出してたり、野茂がとんねるずのアルバムで作詞をしていたり。まったく知らなかったなあ。前者はyoutubeにある。まさに小室なサウンドだ。後者はネットにはなくて残念。買っちゃおうかな。