2003年暮れに刊行された本。基本的にはカタログで、一部のソフトにはライターが文章をつけている。インタビューは宮本茂、糸井重里、堀井雄二、中村光一、田尻智、杉森建、小島秀夫、中裕司といった面々。
3年たったいまという時期に読んでよかったなと思うのが、堀井さんのインタビュー。
ゲーム機はどんどん進歩して、美しいグラフィックを描くようになりましたが、別に進歩しなくても「ドラクエ」はつくれるんです。今、プレイステーション2で新しい「ドラクエ」をつくっているんですが、プレイステーション2があれば、もうこれ以上いらないなと思うんです。(p.103)
ドラクエ9がDSのタイトルとして発表されたのは、ご存知のとおり。3年前のこの発言を見ると、ふとした思いつきでDSにしたんじゃないことがうかがえてうれしい。
以下、書中で興味を持った点を列挙したいと思う。
(p.76)『ミシシッピー殺人事件』について。「本作には、かの小池栄子嬢が長らく探していた思い出のファミコンソフトだった、というナイスエピソードがある」。へえと思って検索したところによると、『CONTINUE』vol.5に書いてある*1らしい。
(p.80)『熱血硬派くにおくん』について。「ちなみにこの『くにおくん』という名前は、テクノスジャパンの社長だった滝邦夫氏に由来している」。へえと思いつつも、知ってたところで何の役にも立たないか。
田尻さんのインタビューは、宮本さんへのリスペクトがうかがえていい。「僕はいつも、宮本さんのすべての言葉を、注意深く聞き漏らさないようにしています。彼は突然、とても重要なことを言うからなんです」(p.173)。その後、宮本さんのアイデアがポケモンにどうやって活かされたの話が続く。ぶっちゃけ、ゲームボーイのポケモンで名をとどろかせた田尻さん*2が、このファミコンの本に出てくるのはどうかなと思った。だけど、いい話を聞けて満足。
2003年12月28日第2刷発行。この本、重版で買ったんだったのか。気づいてなかった。