北上次郎著『エンターテインメント作家ファイル108 国内編』(本の雑誌社

1作家につき1本(×108)の書評集。彼の書評について、まとめて読んでわかった特徴がふたつ。
ひとつは、「留意」「秀逸」「圧巻」といった熟語が多く見られること。文章の流れでものをいうのではなく、単語でずばっと評してしまうのだ。
私は、書評であってもひとつの作品みたいに書かれたものが好みだけど、彼のように、あくまでも本を評価することに徹するというのは、あっていいと思う。
もうひとつの特徴は、本人もあとがきで書いているが、著者の別の作品に触れることの多さだ。まあ、読んでるからこそできることなのだろうし、彼の書評が支持される理由もこの点にあるのかもしれない。でも、フェアだとは思わないな。人物評ならまだしも、書評なのだから。
通読してみて、手に取りたくなったのは3冊。佐藤多佳子著『しゃべれども しゃべれども』、下田治美著『愛を乞うひと』、山本幸久著『はなうた日和』。
いま検索して知ったのだが、『しゃべれども…』は映画化され、ちょうど来週の土曜から公開だそう。そして、その監督をしているのが、映画『愛を乞うひと』の平山秀幸。たまたま気になった本がつながっていることに少し驚き。

Gackt 素晴らしきかな人生』(『oricon weekly』2001年12/24号別冊)

Gacktカップルにモノ申ーす」「Gacktの世界征服」の2本立て。どちらも本誌に連載されたもので、時期的には「世界征服」のほうが先だった。
前者は、カップル×Gacktの恋愛相談みたいな企画。連載時から読んでいて、なんで毎度毎度、Gacktは深い示唆を与えるようなことをいえるんだろうなあと思っていた。こうしてまとまったものを読み返しても、その思いは変わらない。
特に校正が雑だとは思わなかったが、なぜかp.20だけ、同一の間違い(京佳とすべきを恭佳)が3ヶ所も。