7月中旬にも新刊他

新刊情報

重松清著、渡辺考著『最後の言葉 南太平洋に散った日本兵たちの手紙(仮)』(講談社)1680円、ISBN:406212212X
という本が、7/15に続いて出るそうという。タイトルからすると、NHKハイビジョンで昨年夏(NHK総合では昨年暮れ)に放送された番組の文章化かな。

『エイジ』(新潮文庫版)のあとがきと解説

あとがきの方は、なかなか内容のあるものだった。既に朝日文庫で出ている作品を、なぜ新潮文庫から再び刊行しなおすのかについて。そのわけは、筆者のわがまま*1だそうだ。なんでも『ナイフ』(新潮文庫)と『エイジ』(新潮文庫以前は、朝日新聞社朝日文庫)は兄弟みたいなものだから、新潮文庫の棚で一緒に並ぶところを見てみたいとか。まあ、同時に宮部みゆきの『理由』(朝日新聞社朝日文庫)が朝日文庫から新潮文庫となっていることも考えると、筆者のわがままだけが、すべてではないのだろう。
『理由』(新潮文庫版)のあとがきでは、宮部みゆきが「筆者のわがままで、新潮文庫でも出してもらうことになった。新潮文庫には自分のミステリーをたくさん入れてもらってるから」というようなことをいってる。裏があるんだろうなあ、やっぱり。ちなみに『理由』(新潮文庫版)の解説は、朝日文庫版の重松清から池上冬樹へと変更になっている。
だいぶ話がそれたけど、『エイジ』(新潮文庫版)について。朝日文庫版での誤植等を訂正したとのこと。そして朝日文庫版の方も修正が間に合い次第、訂正したものが流通するそうだ。(新潮社の編集者が優秀だから、間違いに気付いたということなのだろうか)
藤原和博の解説は、本文そのものにフォーカスするよりはむしろ、社会的背景から読み解くという形式で、あまり好きなものではなかった。だけど、それを補って余りある表紙(藤原和博が校長をしている和田中の体育倉庫)のすばらしさがあるから、よしだろう。

*1:この言葉は、『ビフォア・ラン』(幻冬舎文庫)のあとがきでも使っている。