鴻上尚史と対談

本日18:30から池袋西武8Fのコミュニティ・カレッジというところで。地下1Fのリブロ注文カウンターで予約した旨を告げてくれ、ということだったが、場所がちょっと奥まったところにあり、なかなか見つからなかった。ようやく見つけたカウンターで1000円を出してチケットを購入し、エレベータに乗って上へあがる。コミュニティ・カレッジの中は落ち着いた空間で、いるのは貴婦人ばっかり。私みたいな学生は場違いだなと感じつつ、教室が開くのを待っていた。講演が行われた教室は、コンビニのような床にパイプ椅子を並べてあった。教室というよりはホールといった方がわかりやすいか。
椅子の上にはビラが置いてあった。今後予定されているコミカレセミナーのものが2枚に、『本の旅人』(角川書店のPR誌)2004年9月号に載った『ラブ アンド セックス』(角川書店)の書評をコピーしたものと、リブロで現在行われている、性にまつわる本を集めたフェアの紹介の計4枚。
ふたりのつくことになるテーブルには、それぞれにエビアンと、ふたりの本(『ラブ アンド セックス』以下LAS、『セックスボランティア』以下SV)がこちらに見えるようにケースに立てて置かれていた。客側から見て、左に鴻上さんの本、右に河合さんの本があったので、これにならって座るのかと思いきや、そんなことをまったく気にせずに、河合さんが左、鴻上さんが右に着席する。河合さんはシルバー(に見えたけど照明が当たってたんで、実際は黒かも)のジャケットで中は赤。鴻上さんの服装は忘れてしまった。眼鏡をかけていたことの印象が強すぎたもので。(ちなみに河合さんはコンタクトってどこかで読んだ気がする)18:30開始予定だったが、15分ほど(時計見てないので正確ではない)遅れて始まった。女性店員の挨拶。

えーみなさん、お待たせいたしました。それでは始めさせていただきたいと思います。(携帯電話を切ってくださいという注意があり)これから鴻上(なぜか店員笑い)、鴻上尚史さん、川上香織さん、あー違う(笑)、河合香織さん、失礼いたしました、のトークセッションを始めさせていただきます。

そして鴻上さん、河合さんの順に店員が経歴とそれぞれの本の紹介をする。それが終わり、さあトークが始まる、という時に鴻上さんが、前に置いてある河合さんの本を手にとって、
「8刷!売れてますなあ」
河合「おかげさまで、こうして紹介してくれたおかげで」
こんなやり取りのあと、さあ本題に入っていこうかとなるのだが、事前に打ち合わせがほとんどなかったのか(なかなか始まらなかったから、どっちかが時間ぎりぎりに駆け込んできたのかなと思った)どういうふうに取り掛かろうかを迷う間があった。
鴻上「そもそもなんでセックスボランティア、言ってみれば障害者の性を書いてみようと思ったの?これが初めての単行本っていうことは、色々とテーマを持っていたわけだよね」
河合「本のあとがきにも書いたんですが、大学時代にボランティアをしようと思って知的障害者の家を訪れようとしたら、女性ひとりでは危ないんじゃないかと言われたことがきっかけで、そのことはあとからも気にかけてたんですね」
話はSVの反響、取材の過程(聞いて答えてくれた人もいるし、拒否する人も)など次々と移っていく。鴻上さんが素直な感想を述べるので、しばし笑いが起こるなごやかなムード。
鴻上「この前、この子とエッチするよりも、おいしいものを食べて帰った方がいいかって思ったんですよ。この話を筑紫哲也にしたら、おいそれはやばいよ、死期が近いよなんて言われてしまいました」
鴻上「SVは映画化したらいいと思うんだよね」
河合「舞台化はどうでしょうか」
性を扱ったものの舞台化は、反応が真っ二つになるので難しいという話はLAS参照。
河合「雑誌で連載している時に、オランダのSARで働きたいと思ってるんだけど、どうしたらいいのかという問い合わせが女子学生から来た」
その女の子は、言語がわからない場所でならボランティアがしやすいと思っているようで、それはいくらなんでもまずいと河合さんはアドバイスをしているとのこと。
SEX AND THE CITY、『サティファクション 究極の愛の芸術』(アーティストハウス発行、角川書店発売) 、その続編『コミュニケーション 究極の愛の芸術』(アーティストハウス発行、角川書店発売)、ロマンポルノ、そして鴻上さんがある学校にワークショップに行ったときに車椅子の子がいた時の体験など、やはり話は次々と移る。
鴻上「障害者と性について話すにあたり、自分のことを話すこともあったの」
河合「ええ、ありました。相談したりなんかもしました。それは相手に、なんで自分のことばっかり聞くのかと思われたくないし、自分だけ安全圏にいてはいけないと思ったんですね。本の中には書いていないことも多いですけど」
ちょっと会場が冷房効きすぎていて、ふたりとも(特に鴻上さんは)寒そうにしていた。残り時間も少なくなってきたところで、質問コーナーへ。3、4人との応答がある。
そして対談が終わったあとは、なんとサイン会(お二人とも)があった、遅い時間にもかかわらず。そのことに大感激して、店を出てから池袋のJRの改札まで無我夢中で走ってしまった。

AERA』2003年7/7号 社会起業家で働きたい!

NPOなどの社会貢献を目的とした事業を起こす人たちのルポ。貢献を重視しすぎるあまり、利益があがらず、せっかく起業しても先行き不透明になっている企業があるという報告を全3P。(内容がよく理解できなかったので、誤読してたら申し訳ない)

婦人公論』2003年5/7号 妻が語る竹中平蔵大臣の素顔

竹中平蔵の妻である竹中節子へのインタビューの構成を河合香織が担当している。就任してからの2年間(掲載当時)をまず振り返り、大学1年での夫との出会い、大学院2年目での結婚(夫は就職して2年)など夫妻のこれまでに話が及んでいく。これまであまり知られていなかった(あるいは、知ろうとは思わなかったの方が適切かもしれない)竹中平蔵の素顔がわかる、素晴らしいインタビューだと思う。家族そろって野球が好きで、夫は阪神、妻は巨人、娘はヤクルトのファンとか。