伊瀬勝良著『キャッチャー・イン・ザ・トイレット!』(双葉社、2009/9)
さえない中学生男子の黒沢は、女子トイレでオナニーするのが趣味。だが、いつものようにことを終え、その場を後にしようとしたあるとき、女子生徒に遭遇してしまう。どうなってしまう、黒沢の学校性活……。
ただのエロ小説かと思いきや、読後感はとてもさわやか。よく書けてるなあと思った。一番好きな人はオカズにしたくないというありがちなこだわりとか、終盤のエロを抜きにした青春小説っぷりとか。
これはもともとがweb小説で、単行本として出すにあたり、加筆修正を施したという。それがエロさを薄める作業だったとすれば、私には残念。というのは、中盤のストーリーが同じようなことの繰り返しで、読者を引きつけるには少し弱いかなと感じたから。
重松清の帯文「そう、イチモツの固さと青春のせつなさは比例するんだよな。ひさしぶりに思いだした。」