リチャード・バック著、法村里絵訳『フェレット物語2 嵐のなかのパイロット』(新潮文庫、2009/7)

こんどの物語は雲のうえ。別々の飛行機に乗ったフェレットたちが、第三者によって結びつけられようとする。
1巻に同じく、勢いのあるストーリーに引きこまれた。運命というものがあるとすれば、それは変えられるのかもしれないし、やっぱり無理なのかもしれない、ってなところか。

リチャード・バック著、法村里絵訳『フェレット物語3 二匹は人気作家』(新潮文庫、2009/8)

第3作は、フェレットの作家夫婦が書くことに苦しみながらも、作品をものしていく物語。前2作とは違って、生きるか死ぬかのドキドキはないが、それでも勢いよく読ませる。
本作においては、哲学的な物言いが極端な形を取らずに、作家と作中人物の対話のなかに多く見られる。そのぶん前2作より自然といえるだろう。