プロ野球における黒歴史の数々を描いたアンソロジー。
コラムも含めて、生まれるまえで知らないものもあるが、それ以上に最近の事件を忘れているなというのを痛感させられる。小久保などの脱税、松坂の替え玉出頭……。まあ、その後の活躍によって、ダーティーなイメージを打ち消したともいえるか。
本書の収録内容は以下のとおり。
「空白の一日」(作画:梶田まさよし):江川卓の契約問題。
「運命の交差線」(作画:亀井清志):清原和博、桑田真澄のドラフト。
「一夜の変身劇」(作画:和泉ひろき):高橋由伸が巨人を逆指名。
「奪われたスターの夢」(作画:亀井清志):長嶋茂雄の監督就任、伊東キャンプ、そして辞任。
「転落の末路」(作画:虎影誠):殺人犯小川博、強盗犯松岡正樹、覚醒剤の野村貴仁、他6人について。
「交通犯罪黙示録」(作画:梶田まさよし):前川勝彦、上原浩治、松坂大輔、上坂太一郎、筒井和也。
「黒い霧事件」(作画:亀井清志):永易将之他。
余談。竹書房は、とにかく誤植の多い出版社という印象があるのだが、本書も期待(?)を裏切らない。オリックスによる新垣渚の強行指名が「1988年」のドラフト(p.120)となっていたり、東尾修が「1997年」にMVPを獲得した(p.186)ことになってたり。極めつけはp.120の末尾。「逆指名などで自分の希望する入団に入りながら、メジャー移籍を希望する選手たちに聞かせてやりたい言葉で」とあって、そこでページが終わり。文章が続いていないのである。さすが竹書房。
下記URLは本書刊行のお知らせ。
http://takepachimaster.blog52.fc2.com/blog-entry-58.html