彩河杏著『メランコリー・ベイビー』(集英社文庫、1990/4)

退屈な高校生活を送る千夏と里佳子。そんな日々にけりをつけようとふたりが選んだのは、駆け落ちすること。計画は着々と進んでいく。
角田光代コバルトシリーズで残した最後の作品。この後、ある場所に呼び出されてクビを告げられるというのは、好きな人には有名な話かな。住所でいうと、東京都千代田区九段北3-1-1。
以下誤植指摘。
「真面目が声が流れてきた」(p.229):「が」。

彩河杏著『満月のうえで踊ろう』(集英社文庫、1990/1)

前作『三日月背にして眠りたい』の続編。萩原生菜子(きなこ)は下宿の小間使いとして働く。そこで繰り広げられる住人たちとの物語。
「神様はわたしたちにラッキーを与えることを出し惜しみするけれど、それを先回りして何もしなかったとしたら、それは馬鹿だ。くれないかもしれないと分かっていても、おねだりだけはしたほうがいい。そうしないと、何一つ始まらないから」(p.164)という部分がいい。
以下誤植指摘。
「ラッケトを抱えた学生が」(p.52):ラッケト。